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作った事例の良し悪しを社内で簡単にチェックする方法

完成した事例の良し悪しを、社内で事前チェックするには、次のような方法があります。

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1.若手社員を2人、選び出す。一人はわりと地頭の良い、読解力があるタイプ。もう一人は、本を読むのとかキライそうな、読解力の低そうなタイプ。

2.その二人に、作った事例を読ませる。「後で感想、聞くから、それなりに真面目に読んでね」と事前に伝える。

3.読み終わった二人に「この事例にはどんなことが書いてあった?」と質問する。回答はメールでも、口頭でもどちらでもよい。
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ここで大事なのは、「どんなことが書いてあった?」と質問することです。「どうだった?」と印象を聞いてはいけません。それを聞いても「分かりやすかった」「もっとシンプルな方がいい」「今ひとつピンと来なかった」「もっとインパクトがほしい」など、テンプレ通りの回答しか返ってきません。

※ ここでのテンプレとは、「上司に質問されたとき、バカと思われないための回答文例集」と解釈してください。

そうではなく、「何が書いてあったのか?」と聞いて、覚えている内容を答えさせます。そして以下のようにグレードをつけます。

*** 【最高】:
読解力ありのA君は、事例の内容をよく再現できた。
読解力なしのB君も、事例の内容をよく再現できた。
どちらも、制作時のマーケティング意図どおりの回答だった。

  → 誰でも分かる書き方、頭に残る書き方、意図の伝達力も高い。

*** 良し
読解力ありのA君は、書いてある内容をよく再現できた。
制作時のマーケティング意図どおりの回答だった。
読解力なしのB君は、内容をあまり再現できなかった。
  → 一定レベル以上の人には分かる書き方、意図の伝達力は高い。
    読者(見込み客)が「頭のいい人ばっかり」という商材なら、これはこれでOK

*** 【まあ、良し】
読解力ありのA君は、書いてある内容をよく再現できた。
読解力なしのB君も、書いてある内容をよく再現できた。
でも、制作時のマーケティング意図は外れた回答だった。
  → 誰でも分かる書き方、頭に残る書き方。ただし、意図の伝達力が高くない。    つまり、「的外れの内容を、わかりやすく書いている状態」
    それでも、何かは伝わっているので、「まあ、良し」と見なす。

*** ダメ(パターン1)
二人とも、内容をあまり再現できなかった。
  → 頭に残らない書き方。読んでも何も頭に残っていないわけで、それではコンテンツとして無意味

*** ダメ(パターン2)
二人とも、内容を再現したが、「業務効率化の課題をツールを通じて解決した」のような、どうでもいい回答だった。
  → その程度のことしか伝わらないなら、何千字ものコンテンツを読ませる必要は無い。10行で程度で十分である。事例として無意味。

「論理志向の人かどうか」を見分けるポイント

クライアントあるいは取材先と話すときで、
「相手が論理志向かどうか」を見極めたいと思うとき、私は


「対偶を意識して話しているかどうか」


に着目します。

論理の世界では、A->B(AならばB)が真であるとき、必ず 「not A → not Bt」(非Bならば非A)も真になります。

例:
「人間ならば → 生物である」の対偶は「生物でないなら → 人間ではない」となります。

もっと卑近な例でいえば

「イケメンならば → 彼女がいる」という命題があるとします。
これは一見、正しい(真)であるように思えます。
しかし対偶を取って
「彼女がいないなら → イケメンではない」と考えるとき、
いや、それは違うかも、というように思考が進みます。イケメン(ルックスがいいひと)であっても、「性格が悪い」「たまたまその時期は独り身である」「同性愛者である」などの理由で、彼女がいない、ということは十分ありうるからです。このように対偶を使えば、自分が本当に正しいことを言っているのかを自己チェックすることができます。


ジャストで対偶でないにせよ、話の節々に「対偶ぽい」論理展開が感じられる場合、「お、この人は論理思考だな」と判断します。

逆に、「AならばB、ということはC、だったらDでしょ」と順列の論理はいうものの、そのウラ、たとえば「非Dなら非Cが成り立つわけで」みたいな逆流の論理検証をしない人は、「理屈が好きなひと」かもしれませんが「論理志向のひと」とは見なしません。

対偶を意識しているということは、「必要条件」「十分条件」を意識していることの証でもあります。

「対偶」「必要/十分条件」を意識して話しているということは、

「自分の発言が正しいかどうか、話しながら自己チェックを加えている」

ということです。こういう人とであれば、精密、厳密な会話が期待できます。

文章が長すぎかどうか、どうやって判断するか – 重要なのは『情報量』

「文章の長さ」が適切かどうかを判断するとき、「情報量」という考えを使うと良いと思います。

伝えるべき情報量が10あったとします。

これに対し、
文章量が10なら -> ちょうどいい
文章量が7なら  -> 説明不足
文章量が12なら -> 長く書きすぎ

ということになります(情報量や文章量を10とか12とか書いているのは、比喩、目安の類いです)。

*** 「個々の文を短くすること」と「全体を短くすること」のちがい

「文章はなるべく短く」とよく言われます。もちろん私も賛成です。たとえば「使っても良い」と書いたとき、「これを『使って良い』と書けないか」とまず考えてみる。「も」の1文字を取れば、読み手の労力が1文字分、軽減されます。一文字単位でコストダンしていく姿勢は重要です。

このように文章個々に関しては「短いに越したことはない」といえます。しかし「文章全体の長さ」となると話は別です。そこでは「文章全体の『情報量』の設定」が重要になります。

「情報量」の視点で考えた場合、「文章は短ければ良い」とは言い切れません。あまり短すぎると「たった、これだけ…?」と思われるからです。

事例文の読者(見込み客)は、読み始める前は「長い文書なんか読むのめんどくさい。早く結論言え」と思っています(※ だからキャッチコピーではさっさと結論を言わなければいけません)。

しかし読み進めながら「これは自分に関係ある話だ!」と感じてくると、「もっとくわしく教えて!」と思うようになります。そんな読者に対し、文章の短さを優先して、詳しい説明を省くと、「えー、ここで終わりなの?」と欲求不満を持たれます。

事例の文章を書く前には、読者(見込み客)が「ちょうどお腹いっぱい」になれる情報量はどのぐらいか、まずそれを設定します。情報量が決まれば、それに合わせて文章量も決まります。この方針で書けば「長すぎず、短すぎず」のちょうど良い文章量を実現することができるわけです。

※ ところでこの文章は、当初、いまの2倍の分量がありましたが、「長すぎ」と判断してバッサリ半分に削りました。これがちょうど良い長さになっているかどうかは、読み手の皆様にご判断いただくほかありません。

「そんな長いの読まない」vs「いや、長くても読む」

事例の「長さ」はどのぐらいが適切なのでしょうか?

村中が書く事例は、パンフレットにすると、A4で4ページ(A3二つ折り)になることが多いです。いわゆるA4裏表2ページの倍になります。

これに対し2つの意見があります。

一つは:
「そんなに長い文章なんて誰も読まないよ」

もう一つは、
「いやいや、長くても内容が良ければちゃんと読まれるよ」

というものです。

どちらが正しい意見なのでしょうか。村中は、どちらも正しくないと考えています。なぜならどちらも前提がおかしいと思うからです。その前提とは、「事例は、あらゆる読者(見込み客)が、『最後まで』読み通すべきである」というものです。

それを前提にすれば、「長いから(最後まで)読まない」、「いや、長くても(最後まで)読むはず」の2つに分かれます。

しかし村中は、「読者(見込み客)は、事例を『最後まで』読まないものだ」という前提で書くようにしています。

******************:

村中はスタッフが作った事例のチェックをするときは、とりあえず【30秒で】読むことにしています。この場合、文章を「読み込む」ようなことはせず、スクロールしながら、上から下までざーっと流し読んでいきます。その30秒読みの中で「話のポイント」が伝わってきたならマル。「何の話かよく分からん」という印象に終わったらバツと判断します。

なぜ30秒で読むかというと、忙しい読者(見込み客)はそういう読み方をすると思うからです。

とりあえず30秒で何の話か伝わらなければいけない。それで役に立ちそうと思ってもらえれば、改めて最初から最後まで読み直すでしょう。あるいは役に立ちそうと思った箇所だけ部分的に読み込むでしょう。この場合、読者(見込み客)は「内容に興味をすでに持っている」、つまり、「もっと詳しく!」と思っているので、内容はガッツリ書く必要があります。その結果、A4で4ページ(A3二つ折り)になることが多いというわけです。

「30秒で内容を伝える」という目標をかかげる場合、「文章全体の長さ」よりも、「拾い読みしやすさ」の方が重要になります。


******************:

「まず拾い読み。全体を読み直すのはそれから」という行動パターンは、本屋で本を買うときに生じます。


1.ふらりと本屋に入る。
2.平積みしてある本を見て、「何とかおもしろそうだな」「自分に関係ありそうだな」と思い、本を手に取る。
3.パラパラ中身を拾い読みする

この後、「自分に役立つ話だ」「中身も充実している」「お金を払う価値がある」と思えば、本をレジに持っていき、買ってくれます。

しかし、拾い読みの結果、「中身スカスカ」「内容がタイトル負けしてる」「つまんなさそう」と思われたら、本を棚に戻してその場を立ち去るでしょう。

ここで重要なのは、「1.お客が本屋に入る」、「2.本を手に取る」の箇所では「本の内容」は関係ありませんが、「3.中身を拾い読みする」という段階では、明らかに本の内容、本文そのものが重要になる、ということです。

お客は最初、拾い読みしかせず、じっくり最後まで読んだりしません。しかし、ここで「拾い読みしかされないのなら、本文を一生懸命書いても意味がない。適当に書いておけばいい」と考えてはいけません。

なぜならお客がどのページを拾って読むかは事前には分からないからです。ここで「どのページが読まれるか分からない以上、全ページを気合いを入れて書かねばならない」という逆説が成り立ちます。


**************

事例の読者(見込み客)は「消極的」な人を想定します。消極的というのは、「文章読むのめんどくせー」「字、読みたくない~」と思っているということです。

そんな消極的な人がなぜ事例を読むのか? それは「仕事だから、しかたなく」です。そんなビジネス読者が事例の文章に求めるのは、「オレの必要な話だけ、簡単にチャッチャッと教えてくれ」ということでしょう。というわけで、チャッチャッと知るべく、まず拾い読みをします。

A4裏表の事例に書いてあるのは、たいてい「清く正しく美しい、だけどあたりさわりのないこと」です。それを読んでも、新たな知見や認識は得られません。つまり「通読する価値はない」ということになります。「短いから読む」ではありません。「短くても読む意味がない」「最初から読まない方がいい」となるわけです。

*****
拾い読みをしやすくするには、どうすればよいでしょうか。具体的には次のような実装を施します。


「キャッチコピーだけで、本文を読まなくても、『何の話か』が分かるようにする」
   → アピールするのではない。「何の話なのか」を伝える)
   → キャッチだけ見れば、最後まで読む価値があるかどうか、早期に判断できる、という状態

「目次だけ見れば、本文を読まなくても、『何が書いてあるのか』分かるようにする」
   → 本文は、『もっとくわしく』知りたい人のためのもの。

「文章はメールのように3~4行ごとに改行する」
   → ベターッとダラダラ長く書かない。

「章(目次)を細かく分ける」
   → 章見出しだけ目で追えば拾い読みしやすい。

「各章の冒頭では、さっさと結論を書く」
   → 最後まで結論が出ない文章は、最後まで読まなければならない。それは消極的読者にはツラい

「箇条書きや表を多用する」
   → どちらも拾い読み、飛ばし読みに適した形式。

これら施策を通じてを「オレの必要な話だけ、簡単にチャッチャッと」という読者(見込み客)ニーズに答えるようにするわけです。
このような工夫をして「拾い読みしやすさ」を強化すれば、「さっさと結論だけ知りたい人」と「興味が出たので詳しく知りたい人」の両方に対応することができます。

今日の話をまとめると:

「事例の読者(見込み客)は消極的。『自分に関係ある情報だけチャッチャッと知りたい』と思っている。

「そんな読者(見込み客)はまず拾い読みをする」

「だから事例は拾い読みしやすさが重要。30秒で拾い読んでも内容が分かるように書かねばならない」

「そして興味を持てばあらためてガッツリ読み直す。そんな読者に対応するべく、本文はガッツリ書かねばならない」

マーケティングオートメーションと「腹減った」メール

知人でマーケティングオート-メーション(MA)を売っている小園社長が面白いことを言っていました。

(村中):マーケティングオートメーションってどんなの?

(小園社長):あのね、たとえば「腹減った人いますか?」っていうタイトルでメルマガ出すでしょ。そしたら腹減った人がメール開封するわけ。

(村中):まあ、確かに

(小園社長):んで、メールの中には「和食の人はこちら」「フランス料理の人はこちら」とか分けておくわけ。で、MA使うと、誰がどこをクリックしたかが分かるわけ。たとえばAさんが開封して、和食をクリックしたとここまで分かる。

(村中):なるほど。

(小園社長):そしたら営業マンがAさんと会ったときは、「和食、良いですよね~」とか話すればいいわけ。オレ、本当はフランス料理売りたいんだけど、とか思ったとしても、でもAさんは和食好きだからそういう話はやめようと自制できるわけ。そんで和食を成約するわけ。これがマーケティングオートメーション。


※ 小園さんが売ってるMAはこちら
 https://www.genius-web.co.jp/service/marketing_automation/

※ 「小園社長の話を聞きたい」、「紹介してほしいという人」は、村中にメールか電話かください。
 http://www.customerwise.jp/contact.asp

為替のふしぎ(2)

本日のレートは1ドル111円です。これがもし今後1ドル330円、つまり3倍の円安になったら、どうなるでしょうか。私の乏しい想像力で考えても、とりあえず次のようなことが起きると思います。

– 中国やアメリカなど世界各国が、今がチャンスとばかりに、日本企業を買収したり、銀座の土地を買ったりする。だって以前の3分の1の値段で買えるのだから。

– 世界各国から日本に観光客が大挙して押し寄せる。だって以前の3分の1の値段で旅行できるのだから。

ここで疑問に思うのですが、円ドルの為替レートは、昭和の固定相場制度の時代には、1ドル360円でした。では、その時代に、海外が日本の企業や土地を買収したり、観光客が大量に来たりしていたかというと、あまりそういう話は聞きません。なぜ、そういうことが起きなかったのでしょうか。何か買収の規制か何かあったのかもしれませんが、素朴な疑問としてふしぎです。

2冊目の本が出ます

cover

2冊目の本を出版します。タイトルは「事例広告・導入事例 バイブル」。320個のノウハウを盛り込んでいること、 事例の出演依頼の方法も詳しく書いていることが特徴です。この3ヶ月は毎日、この本ばかり書いていました。5月下旬発売です。

 

事例出演の決定権を握るのは「担当者」ではない、営業が会ったこともないあの人(1)

事例を作るには、まず顧客の出演OKを取り付ける必要があります。候補企業を数社リストアップすると、営業担当者が「あの会社なら担当者とは『通じてる』から俺が頼んでやるよ」と言ってくることがあります。

 ここでよくあるのが、ところがそのあと事態が全く進展しないことです。折を見て「あの事例出演依頼の件、どうですか?」と聞いても、「今は先方もバタバタしているから…」などあやふやに回答されたりします。こうした経験を何度かすると、「通じている」という言葉に疑問を感じてしまいます。

 筆者は、その人とある人が「通じている」かどうかを見分けるには、「その場ですぐ携帯電話をかけるかどうか」を見ればよいと考えています。本当に「通じている」なら、その場で携帯を取り出して相手に連絡するか、あるいはそれに近いスピード感で事を進めてくれるはずだからです。


 逆にそうした迅速な行動がないならば「通じている」というのは、(あるいは「俺が頼んでやるよ」という発言は)自分を大きく見せるための「トーク」と考えるべきでしょう。

 前回は、「事例出演依頼は、相手企業の担当者とリレーションが深い、つまりツーカーの営業担当者が直談判のコミュニケーションで頼まないとダメだ」という考え方に間違いがあると話しました。そしてこの文章には、もう一点間違いがあります。

 それは、そもそも事例に出演していいかを決めるのは、相手企業の「担当者」ではないということです。事例が「会社として」出演するものである以上、担当者は独断で出演可否を決められず、「直属上司」や「広報部」の許可を取る必要があるということです。

 事例出演に関して、担当者と広報部とどちらに決定権があるかを突き詰めてみると、間違いなく後者に決定権があります。つまり事例出演依頼のキーパーソンは、営業担当者が見たことも会ったこともない広報部の人となるのです。

 では広報部の壁を乗り越えて出演を取り付けるにはどうすればよいのでしょうか。「こうすれば100%大丈夫!」という方法はありません。しかし「これはやってはいけない」というNG手法はあります。それは、「事例出演依頼を商談のついでに、口頭で依頼すること」です。

 この方法を「NG」とまで断定することに、違和感を持つ方もいるかもしれません。常識的に考えても、事例出演のように頼みにくい依頼をするとき、商談の後先の雰囲気が和らいだところで『ところで導入事例への出演をご検討いただきたいのですが…』と切り出すのは、別に悪い方法ではないように思えます。

(つづく)

※ NIKKEI ITPRO MARKETINGより転載。禁・無断転載
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顧客への事例出演依頼に営業部が積極的に取り組まない本当の理由

 導入事例と、それ以外の広告媒体—例えばパンフレットや会社案内、ホームページ、展示会、リスティング広告との違いとはいったい何でしょうか。それは「通常の広告は予算さえあればできる。しかし事例はそうはいかない」ということです。

 極論すれば、通常の広告は予算をとって委託先に任せれば、少なくとも形にはできます。しかし導入事例の場合は、それに加えて「あなたの製品やサービスを使うお客様(顧客)に、事例記事への出演をOKしてもらうこと」が必要です。

この出演依頼(アポ取り)の問題は、予算(お金)では解決できませんし、委託先に任せることも不可能です。第三者に当たる委託先の担当者が、いきなり顧客に電話やメールをしたのでは、顧客から見て不自然です。そればかりでなく、顧客情報を第三者に漏らしたとも捉えられかねません。

 というわけで事例のアポ取りはあなたの会社のだれかが自力でやるほかありませんが、この作業はなかなか思うようには進みません。特にマーケティングの担当者からは、「顧客企業に事例出演を依頼するとなると、担当営業を通して頼まなければいけない。しかし営業部はなかなか動いてくれない…」と相談されることがよくあります。

 営業部からは、

「今はまだタイミングが悪い」
「先方で人事異動があったばかりだし、もう少し様子を見よう」
「一応、依頼はしてみるが、あの会社の社風からいって、事例出演は難しいんじゃないかな…」
「どういうルートで頼むのが一番いいか、まずそれを見極めないと」

などといった反応があります。

 この問題には簡単な解決策があります。それは「営業担当者を通さずに、マーケティング部の担当者であるあなたが、自分で直接、顧客に出演依頼をすること」です。

 こう言うと、

「そんなことしたらダメでしょ、先方に失礼でしょ」
「お客さんと見ず知らずの私がいきなり連絡してもOKなんて取れるわけないでしょ」
「やっぱり顧客とツーカーの営業担当者が依頼しないと」

と思われるかもしれません。しかし、そんなことはないのです。

私は会社員時代、内勤のマーケティング部でしたが、事例の出演依頼は基本的にすべて自分でやっていました。メールと電話を使って、会ったこともない顧客に出演を依頼するわけです。

 その方法でかれこれ200社のアポを取りました。自治体や大手都市銀行も自力でアポを獲得したことがあります。

 見ず知らずの私がいきなり連絡したことで相手企業からクレームが来たりしないのかと思うかもしれません。しかし、そういうことは一度もありませんでした。

 その理由は、私が「自分、個人」ではなく「会社」として顧客に連絡したからです。顧客は「会社」と取引しているのであり、営業担当者やマーケティング部の私など「個人」とつきあっているわけではありません。「会社として(または、会社のマーケティング部として)」連絡する限り問題は生じないのです。

 では営業担当者がいう「しかるべきルートを通さないと」などのコメントはいったい何なのか。ここであえて申し上げますと、それはほとんどの場合「営業担当者が自分の存在感を高めるために言っているだけの話」、あるいは「根拠のない、単なる勘違い」だと筆者は考えます。

 

 ある有名雑誌の編集長であるAさんに聞いた話です。Aさんが雑誌の編集記者だったころに、とある業界の大物に取材アポを取る必要に迫られました。まだ新人だったAさんは最初、周囲に相談してみました。すると、「関係機関のしかるべきルートを通す必要がある」「あの人は紹介がないと会わないらしい」など言われたそうです。

 しかしAさんにはそんなコネも当てもありません。そうこうするうちに締め切りが迫ってきます。思いあまったAさんは、いきなり自分でその大物の事務所に電話をしました。すると電話にはその大物本人が出てきました。Aさんは、名を名乗り身元を明かし、取材をしたいという意志、取材の趣旨や内容、掲載形態など礼儀正しくかつ明確に伝えました。すると、あっさり取材OKが取れてしまったとのことです。

 この経験を経て、Aさんは「関係機関を通さないとダメ」「紹介が必要」という話は、別に根拠があるわけではないと気付きました。そういうことを言う人は、「話を重たくして、もったいつけて、自分の存在感を高めようとしているだけ」なんだと判断し、以後はどんどん自分で取材アポを取るようになったとのことです。

 

 これは営業担当者に限ったことではありません。多くの人には、他人に何か質問されたとき、人は「それは簡単ではない」「それを実現するには●●の障害がある」など、否定的なことを言いたがる傾向があります。

 そうして話を重たくした方が、コメントした自分に「重厚感」「大物感」が漂うからです。しかしそれらコメントに実体験に基づく確かな根拠があるかというと、ほとんどの場合ありません。根拠のない怖がらせ話、あるいは「都市伝説」にすぎないといってよいでしょう。
さらに営業担当者は、話の端々に「この顧客はオレじゃなきゃダメだから」という雰囲気を差し挟む傾向があります。売れたときには「自分だから売れた」とし、売れなかったときには「誰がやってもダメだった。しかたがない」という流れに話を持って行くわけです。

 「誰でも売れる」とか「売れなかったのは自分が悪かった」というのでは、自分の存在価値を否定することになります。そうならないよう「オレじゃないとダメ感」を常に漂わせようとするわけです。

 これはよしあしの問題ではなく、営業担当者の立場としては当然の行動といえます(私が営業部所属なら、同じように振る舞うと思います)。というわけで営業部の話は鵜呑みにせず、常に話を差し引いて聞かなければいけません。

 

 もしかすると実情はもっと単純な話かもしれません。営業担当者はなぜ「今はタイミングが悪い」「しかるべきルートを通さないと」などコメントして、積極行動しないのか?それは単に「面倒くさいから」かもしれません。

 営業担当者は、事例に対しては「総論賛成、各論反対」となるのが一般的です。いい事例をたくさん作るべきだ、という話に対しては、どの営業担当者も「その通り。事例は重要な営業ツールだ。どんどん推進するべきだ」と同意します。これが総論賛成です。

 しかしいざ具体的に顧客に出演依頼をするとなると、みな動こうとはしません。内心で「そんな面倒なことは、自分以外の誰かがやってほしい」と思っているからです。これが各論反対ということです。

 営業担当者にとって顧客に事例出演を依頼するのは面倒なことです。そもそも事例OKを獲得したからといって、自分の営業ノルマ達成に役立つわけではありません。

 むしろ時間と手間がかかる分だけ、営業成績の妨げになるとさえいえます。というわけでホンネは「やりたくない」のがほとんどです。

 しかし「面倒なのでやりたくありません」とは言えません。だから「時期尚早」「しかるべきルートを通さないと」のような、けむに巻くコメントをするわけです。

マーケティング部のみなさんはこんな曖昧な話を当てにしてはいけません。営業部が動かないのなら自分が動けばよいのです。「事例のアポ取りは営業担当者がやらないとダメだ」といった固定観念、都市伝説に惑わされてはいけません。

 原理原則に立ち返りましょう。その原則とは何か。繰り返しになりますが、「顧客は営業担当者という個人と付き合っているのではなく、会社と取引している」ということです。

 みなさんも自分個人ではなく「会社のマーケティング部として」連絡すればよいのです。そして編集者Aさんのように、事例取材の趣旨、事例の掲載形態などを礼儀正しく的確に伝えれば、みなさんが思い込んでいるよりは、はるかに簡単に事例アポを獲得できるのです。

※ NIKKEI ITPRO MARKETINGより転載。禁・無断転載
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いまヨーロッパには往復3万円で行ける。

いま海外への航空券は驚くべく安くなっていて、ヨーロッパ各国に往復で行くのに10万円を切るのは当たり前で、このあいだ一番驚いたのは、ローマ行きの往復航空券が3万円を切る値段で出ていたことでした。しかも航空会社はイタリアの航空最大手、アリタリア。もちろん「予定変更、キャンセルは不可能」「乗り継ぎ空港での10時間待たなければいけないので片道25時間」など制限はあります。それにしても3万円というのは、東京・大阪を新幹線で往復するのと変わりません。村中は学生時代は、遠いヨーロッパというのは航空券は往復20万円~30万円ぐらいするものだと思っていました。それがここまで安くなるとは。インターネット時代で、売れ残りをきめ細かく拾うのが可能になったわけでしょうか。それにしてもローマ往復が、大阪往復と同じ値段とは!