法人営業において、製品の実績を示すことは非常に重要です。
特に高価格で目に見えない特性を持つ製品を販売する場合、顧客はしばしば「実績はありますか？」と問い合わせます。この問いに明確に回答できれば、受注確率が上がります。ここで重要になるのが「導入事例」です。
しかし「導入事例」は、ただ作っただけでは高い効果を生めません。重要なのは、顧客の関心にダイレクトに訴求するための「基本設計」です。建築において設計が最重要であるようにのと同様、コンテンツにおいてもやはり設計が重要なのです。正しい設計のためは、顧客の基本情報、競合との相対優位（あるいは劣位）、見込み客の行動変化を把握、予測することが必要です。ていねいに作り込んだ設計に基づき、見込み顧客にとってリアルかつ魅力的なストーリーを作成してはじめて、製品の顧客価値を具体的に示すことが可能になります。
私たち株式会社カスタマワイズは、導入事例についての著作もある専門家、村中明彦と、豊富な経験を持つ事例制作者のチームで、依頼者のニーズに合わせた効果的な導入事例を作成し、それを活用する方法を助言・提案しています。
カスタマワイズは、日本で唯一の事例作成に特化した制作会社です。代表村中明彦は、外資系の大手セキュリティ会社に勤務し、導入事例を活用して不振だった製品の年商を20億円に押し上げるなどの成果を上げました。これまでに1,000件以上、500万文字を超える顧客事例を作成し、監修。またダイヤモンド社から「事例広告の方法」、日経BP社から「決定版事例広告・導入事例バイブル」を出版し、後者は台湾でも翻訳出版されるなど、この分野の先駆者として活動しています。
顧客は多くの場合、複数の製品を比較検討して、最終製品を選択します。その一部始終を記す導入事例は、自社製品が競合とどう異なるかの差別化、相対評価を示しうる媒体となります。見込み客が知りたいのは、一方的な宣伝ではなく、他社との具体的な違いです。そうであるなら、「○○の導入で××を実現」のような、一般的な「うすい」内容の事例では、見込み客への訴求は不十分です。必要なのは、それを読む前と読んだ後で、顧客の意識がハッキリ変わる、みなさんの製品サービスへの理解を深め、魅力を感じる、そんな感情動線が設計された事例なのです。
見込み客という「相手、他者」に効果的にアプローチするには、一方的に自分の言いたいことをまくしたてるのではなく、まずその相手が何を考え、何を聞きたいと思っているかを知ることが重要です。
少々乱暴なたとえですが、優れた猟師は、狩猟の技術以前にまず目標である動物の生態、いつ、どんな場所に、何を求めて現れるのか熟知しています。それと同様に受注を獲得するには、まず「顧客の生態の知識」が重要です。顧客事例の制作を通じて、顧客の生態を理解し、それを次の事例に生かし、ますます魅力的な広告制作につなげていく、そんなPDCAを実現することが重要です。
意外に思うかもしれませんが、事例インタビューにおいて顧客から「ポジティブな発言（＝製品への褒め言葉）」を引き出すのは、それほど難しいことではありません。これは自分がインタビューを受ける側の立場になればわかるのですが、要は、手間ひまかけて悪口をいうよりも、あたりさわりのない言葉で褒めておく方が、答えるのがラクだからです。しかしそうした表層的な褒め言葉は、多くの場合、事実（５W1H）に根ざしておらず、根拠と説得性に乏しい場合がほとんどです。「単なる感想」の域を出ていないので、「冷たい他者」である事例の読者、つまり見込み客から見れば、「感想だけならどうにでもいえる(ウソだってつける)」と思われます。
これを回避するにはどうすればよいか、重要なのは「事実」に着目することです。事実とは、「そのとき実際におきたこと」です。少し広げるなら「そのとき思ったこと」を含んでもよいでしょう。感想はどうにでも言えますが、事実は変更できません。まず事実を積みかさね、そこに立脚する形でポジティブな発言（褒め言葉）を引き出す、こうすれば事例の説得力が向上します。
「事例では共感性が重要だ。読んだ人が共感できるような内容にすることが重要だ」という話を聞くことがあります。率直な話、私はこういう考え方を「役に立たない正論」に分類しています。正しい。文句はない。誰も否定はできない。しかし、実用の役に立ちません。百歩譲って、「事例を発注する側・企画す[...]
事例取材をするとき、不安を感じることがあるかもしれません。「はたしてお客様が私たちの商品・サービスを褒めてくれるだろうか。クレームばかり言われるんじゃないだろうか」と。しかし、この心配は不要です。実際に取材してみれば分かることですが、顧客（取材先）は、あなたの商品・サービスをフツーに[...]
事例の原稿は、公開する前に、顧客（取材先）のチェックを通過する必要があります。一回ですんなり通ればよいのですが、時には不満が表明されることもあります。「少しまとまりに欠ける気がします」「全体の論調に違和感があります」「取材で話した内容とちょっと違うような気がします」などなど。[...]
製造業を取材先にして事例を作るときに、村中として気をつけていることがいくつかあります。 まず、製造業の事例を制作するときには、「ものづくりニッポン！」、「プロジェクトX！」、「現場が全て！」、「シブすぎ技術に男泣き！」系の世界観（ノリ）は、あまり取り入れないようにしています。そういう[...]
事例広告・導入事例のマニュアル本、「事例広告・導入事例バイブル」が発売開始となりました。（※ アマゾンのリンクはこちら http://amzn.to/2sZHE5f ）book全400ページに、300超のノウハウを詰め込んだ内容になっています。以下、自画自賛で恐縮ですが、 情報量は「圧巻」[...]
1年ほど前のことですが、ある既存顧客から「顧客事例に興味はあるが、ウチの業界は地味で特殊なので、どんな事例にしたらインパクトがあるのか、とても悩んでいます」という相談がありました。これに対しては「悩み方が間違っています」と回答しました。この顧客の悩みは、「想いを寄せているあの娘に振[...]
