次に生まれ変わって、また起業するとしてもやはりBtoBがいい。BtoC起業よりBtoBの方が圧倒的に気楽だと思います。なぜかというと(つづく)
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半年前?
侍ジャパンが優勝したのも、なんだか半年前のことのような気がしてきました。みなさんはどうですか?
WBCは、わがことのように?
WBCで日本チームが優勝しました。おめでとうございます。さて、こういう国際大会、サッカーでもオリンピックでも良いのですが、日本代表が負けると、我がことのようにガックリ来ます。でも今回、日本チームが優勝して、我がことのようにうれしくなるかというと、実はそうでもない。「いや、べつにオレが勝ったわけじゃない。すごいのは日本代表の彼らなのであって」みたく思ってしまいます。みなさんはどうでしょうか。
台湾でも発売
拙著 「事例広告・導入事例バイブル」は3年ぐらい前だったか、台湾でも翻訳発売されました。書名は「B2B實例廣告聖經」で日本語題名のほぼ直訳。惹句は「再高價、再難賣的商品都能賣!(高い商品、売りにくい商品でも売れる!)」でした。
https://www.books.com.tw/products/0010821249?sloc=main
商業ビル
数年前に、商業ビルの事例を手がけたことがあります。普通、ビルは事例に向きません。その良さが、「わあ、いいな、キレイだな」みたいに目で見て分かるから。あるいは立地や面積など事実や数値で分かるから。その事例では、そこをふまえつつ、別のやり方で価値訴求しました。わりと上手くいったと思います。
ポジティブなキラーワードって有効なの?
事例では本文でもキャッチコピーでも、「ポジティブなキラーワード」をどんどんちりばめていくべきだ、というような話を何かの記事で見かけました。ポジティブなキラーワードとは、「**の先鋭的な仕様に驚きました」「他に類を見ない**でした」的な言葉のようです。そうした言葉はよく目立つので、読者(=見込み客)はそれを見て「おお、先鋭的なのか」「そうか、他に類を見ないのか」と認識し、その製品、サービスをポジティブに認識するようになる、という理路のようです。
でも本当に、そんなふうにうまくいくのでしょうか。
たとえばキャッチコピー。事例に限らずコピーの役割は、事例パンフを手に取って(あるいはクリックして)、本文を読み始めるよう仕向けること、といわれます。たしかにそうだと思います。人々は忙しく、事例のような長い文章などできれば読みたくないと思っているからです。では、どういう条件が整えば、人は文章を読み始めてくれるのでしょうか。
それは人々が「これは今の自分に関係ある話だ」と認識したときだと考えます。人は自分に関係ない話には、まったく興味を持ちません。それがいくらキラキラしたポジティブなキラーワードであろうとも、です。
そもそも「ポジティブなキラーワード」とは何でしょう。私はその正体は、事例を作るメーカー側の人間が、取材先に言われて「うれしかった言葉」のことだと考えています。人間、褒められればうれしくなるのは当然です(私だってそうです)。だから、その「自分が」感動した言葉を読者(見込み客)にも分かってほしいと思う気持ちは理解できます。
しかし、「あなたが褒められてうれしかった話」は、読者にとっては「他人が褒められている話」でしかありません。親兄弟や仲の良い友人、恋人ならともかく、他人が褒められている話に、関心を持つのはむずかしい。2行、3行なら、相手が他人であっても、「それはよかったですね」と生暖かく祝福できますが、時間を割いて長文を読む動機にはならない。
それは他人の子供の成長過程を記録した動画のようなもので、他人からすれば、めでたいことだとは思うものの、積極的な興味をそそるものではありません。
では、人はどんな話なら強い関心を持つのか、これは原則、「自分に関係ある話」の一択です。これ、読むとオレが(私が)トクする話だ、と思えば、その先の文章を読みこなすやる気が生まれます。。
では読者(=見込み客)に「これは自分と関係ある話だ」と思ってもらうには、どんな言葉を使えばよいのでしょうか。
三脚
事例の著作2冊に、「写真は手ブレが大敵。だから三脚必須」と書きましたが、ここは訂正したい。今のカメラは性能が上がりました。わたしも今は空間手ブレ補正つきカメラを使い、三脚は持参しなくなりました。荷物が減ってうれしいです。
タイムスリップ
いまタイムスリップして、高校生の頃の自分に「おまえは大きくなったら事例制作の仕事をしているよ」と言ったとして、まったく話が通じないと思う。その頃は「事例制作の仕事」など存在していないわけで。
「ネガティブでなければ打ち合わせではない」
事例制作の依頼を受けたとき、取材の前に、まず顧客と「打ち合わせ」をやります。
このとき、わたしは必ず「今日の打ち合わせはネガティブな姿勢で進めます」と前置きするようにしています。
すると顧客からは「え、ネガティブな姿勢? 何それ?」という雰囲気の反応が返ります。
■ ネガティブな姿勢とはどういうことか?
そこで私は、
「ネガティブな姿勢というのは、
『今回の取材、インタビューしても取材先はあまり面白いことはあまり言わないだろう』、
『こちらが企業メッセージとか書いたところで、読者(見込み客)は特に関心も持たないだろう』、
『こっちに都合のいいことはそうそう起きないだろう』
などなど仮定する、そんな姿勢のことです」と説明します。
■ もしポジティブに打ち合わせをすると…
なぜ打ち合わせはネガティブな姿勢でおこなうべきなのでしょうか?それを理解するために、逆の「ポジティブな姿勢で行う打ち合わせ」を想定してみましょう。
ここでのポジティブな姿勢とは、
「我が社は素晴らしい製品、サービスを提供している」
「我が社のお客様は良い事業を営む素晴らしい企業様である」
「お客様は我が社のサービスに満足しており、関係も良好だ」
「だから事例取材の時も、礼儀正しく素直に質問すれば、お客様は自分の言葉で良い内容を語ってくれる」
「私たちは、それにただ耳を傾ければよいのだ」
という姿勢のことです。
これはポジティブ、積極的、そして美しい前提です。本当にこの前提のとおり話が進むなら、それはすばらしいことです。
■ ポジティブな姿勢はなぜ無意味なのか?
しかし、ここで立ち止まって考えるべきことがあります。
それは、もしこれらポジティブな前提がすべて本当なら、そもそも【打ち合わせなどする必要はない】ということです。
すべてポジティブに進行するなら、準備など不要です。取材先に出向いて、事前に用意した質問を素直に聞けばよい。きっとすばらしい回答が返ってくるでしょう。
すべてはポジティブ、何の心配もありません。だから打ち合わせなどする必要はありません。
さらに根本的に考えると、すべてポジティブに進行するなら、そもそも外部の専門企業に事例制作を依頼する必要すらありません。
だってすなおに質問しさえすれば、よい答が帰ってくるのです。だったら、自社の新人に担当させても十分です。
■ 現実的とは、悪天候を想定すること
「ポジティブな姿勢で事例の打ち合わせをすること」は、「ポジティブな姿勢で登山計画を立てること」に似ています。
登山する日は、きっと天気もいいはず、視界もいいはず、トラブルなんて起きるはずがな、そんな姿勢です。
しかし、そんな姿勢で登山する専門家など当然いません。悪天候、事故などあらゆるネガティブ要因を予測し、それへの準備を想定してから実際の登山をしているはずです。
事例の事前打ち合わせも同様の姿勢をとるべきというのが私の基本的考えです。ひたすらネガティブに考えます(もちろん、そのネガティブな姿勢は、ポジティブな成果物をめざしてのことですが)。
事例の打ち合わせも同じようにやるべきではないか。ひたすら、ビクビクし、悪いことを考え、ネガティブにやるべきではないか。それが私の基本的な考え方です。
■ 天気がよいときは、素直によろこべばよい。
もちろん、このネガティブな姿勢は、ポジティブな成果物をめざしてのことです。登山家のネガティブな姿勢が、登頂というポジティブな結果を目指しているのと同じことです。
このネガティブな予想は、もちろん外れることもあります。取材当日、たいした質問もしていないのに、相手がつぎつぎ面白い話をどんどんしてくれること、こういうことは、たまにあります。
しかしこれは、登山当日、うれしいことに快晴でした!という話と同じです。この場合は「ああ、よかった」と受け入れて話を聞けばよいだけです。
運がよい時は、単にそれを受け入れればよい。しかし、それはあくまで「運がいい」ということです。事前の打ち合わせ、予測は、やはりネガティブに行うべき、これが私の基本的な考え方です。
「○○で●●を実現!」というキャッチコピーについて
こんにちは、事例制作専門会社カスタマワイズ、村中です。
導入事例のキャッチコピーで、よく「~を実現」という言葉を目にします。「○○の採用で、効果的なDMを実現」「業務効率化を実現」「開発の生産性向上を実現」などです。
わたしは自分がキャッチをつくるとき、「実現」という言葉を使わないよう気をつけています。理由は、「実現」という言葉は、よわよわしいと思うからです。
英語学習を例に考えます。「○○により、伝わる英会話を実現」「リスニング最適化を実現」「英語学習の生産性向上を実現」など。なんか「雰囲気だけ~」という感じがします。
ダイエットではどうでしょう。「ダイエットの最適化を実現」「ダイエットの生産性向上を実現」とか。なんかこう、体重減ったのか減ってないのかハッキリしろ、と言いたくなります。
では「○○により、体重減少を実現」とでも書けばよいのでしょうか。でも、これも回りくどい。「○○を使って、体重が減りました」と書けばよい。「12キロ減りました」と書けばもっとよい。これで十分です。
もし本当に何かが実現しているのであれば、「実現」という言葉を使う必要はありません。「体重12キロ減」「TOEIC満点」のように「実現した内容そのもの」をそのまま書けば良い。
「○○を実現」というのは、言葉の表面上のいきおいとはうらはらに、自信のない「よわい言葉」に思えます。