※ カスタマワイズ 企業公式サイト:クリック
※ 事例制作サービス案内(価格表):クリック
※ お問い合わせ:クリック

事実こそ話を深める-6

感想というのは「ただそれだけ」です。「私、もうパスタが好きで好きで」という感想があり、もしそれが真実だとしても、文章ではそのまま感想を書いておしまいです。そして感想は人それぞれであり、取材相手の感想が万人の興味を引くとは限りません。
しかし「20代OLが朝食でナポリタン自炊、しかも毎日」という事実には「謎」があり、謎は自然に「興味」を呼びます。「事実」は集まるほど謎が深まります。そしてその謎を解くのもまた「事実」なのです。読ませる文章とは、究極のところ「謎解き」のことです。ということは、インタビューの際には感想より事実を集めるほうが理にかなっています。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事実こそ話を深める-5

野球選手のイチローが一時期、朝食を毎日カレーにしていたのは有名な話です。理由は不明ですが何かジンクスがあったようです。同じように毎朝ナポリタンを食べるOLにも特別な理由があるのかもしれません。
ここまで話が進めばもう機は熱しています。そろそろ「朝食にナポリタン、どうしてなんですか?」と質問してもよい頃です。どんな答えが返ってきても、間違いなく面白い話になるはずです。
場合によっては「ご家族もお好きなんですか?」と聞き添えたいところです。もし回答が「ええ、実は父が…・」と来れば、「父から娘に受け継がれた、朝食はナポリタンという食嗜好」となり、話はさらに展開していきます。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事実こそ話を深める-4

第2に平日朝、出勤前の忙しいときに「わざわざパスタを自炊? そんなに好きなのか?」という疑問。
第3にナポリタンといえば、ケチャップをギトギトにからめた高カロリーの昭和的な食べ物です。それを「平成生まれの20代OLがなぜ朝食で?」という疑問がわきます。
さらに「ナポリタンです」と女性が答えたときの雰囲気にも注目したいところです。少し恥ずかしそうに答えるのか、それとも当たり前のように答えるのか。20代OLでは前者になるのが自然だと思いますが、にもかかわらず平然と答えたとしたら、さらに謎が深まります。
そして「朝食にナポリタンは、月に何回ぐらいですか?」という頻度情報も確認しておきたいところです。もしかすると「毎日」と答えるかもしれません。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事実こそ話を深める-3

「そんな細かいことを知ってどうするの」と思ったでしょうか。しかしこうした事実は、「パスタが好きで好きで」という感想よりはるかに役立つ情報です。
もし回答が、「20代のOLが昼食のランチで同僚と一緒に行きつけのお店でペンネアラビアータを食べた」という話なら、何の変哲もない話で意外性はありません。しかしもし「一人暮らしの20代OLが平日の朝、出勤前にナポリタンを自炊して食べた」というなら話は別です。少なくとも3つの疑問が生じます。
第1にパスタは通常、昼食で食べることが多く、夕食でとることはあまりなく朝食ではほほありません。「なのになぜ?」という疑問。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事実こそ話を深める-2

では何を聞けばよいのでしょうか。筆者なら「パスタを食べた」という回答を聞いた後、次のような事実項目を確認します。

・朝食/昼食/夕食?
・外食/内食?
・外食の場合は一人で? それともみんなで?
・内食の場合は自炊、他炊?
・パスタの種類は?(アラビアータ、カルボナーラ、ナポリタンなど)
・パスタを食べる頻度は?
・回答者の属性(男女、職種、年齢、雰囲気など)

(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事実こそ話を深める

例え話で考えてみましょう。事実を知るための質問として、「昨日は何を食べましたか?」と聞いたとして、これに「パスタを食べました」と答えが返ってきたとします。ここで「なるほど、わかりました。では次の質問ですが…」とすぐ次に進むのは事例インタビューとしては最悪です。かといって「えー、パスタですか!いいですよね、私も大好きなんです~、このあいだも…」と、パスタ談義で共感して意気投合して場が盛り上がるのも、一見良さそうで実は良くありません。盛り上がるだけで情報が取れないからです。
「なぜパスタを食べたのですか?」といきなり理由を聞くのもNGです。出し抜けにそんなことを聞かれても答えるのが面倒臭い。「何となく」とか「パスタ、好きなんです」とか適当に答えられて終わりになるでしょう。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

語尾はぼけても論旨はぼかすな

事例の文章ではどうしても、「〇〇だと思います」「〇〇と考えます」「〇〇かもしれません」などある程度、語尾をほやかすことになります。だからこそ論旨の部分(〇〇の部分)は、きっちり論理と根拠を固めましょう。そこまで根拠があるなら言い切ってもいいじゃないかと思えるぐらいまで強力に論拠を固めた上で、語尾だけを「~かもしれません」のようにぼかすわけです。語尾がほやけて、その上、論旨までほやけていたのでは、文章が成り立たなくなります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

「思います」ではなく「考えます」にする

一つの対処策としておすすめしたいのが語尾を「…と思います」ではなく、「…と考えます」と書くことです。「思う」とは頭の中が一つのことで占有されている状態ですが、「考える」とは頭の中で複数のことを比べながら分析している状態です。「思い込む」とは勘違いのことですが、「考え込む」とはあれこれ比較分析しながら懸命に考えている状態のことです(「日本語練習帳」大野晋)。「~と思う」よりも「~と考える」のほうが、読み手に理性的な印象を与えられます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

言い切り語尾を続けるのは難しい

「…だと思います」のようなぼやけた語尾ばかり続くと、文章を読む気が失せてきます。語尾は「~だ」「~である」のように言い切り形で終えるほうが、読者に信頼感と安心感を与えられます。しかし事例は一般会社員が語るインタビュー文なので、すべてを言い切り語尾で統一するのは難しい。というのも、会社貝(組織人)は角が立つことを嫌うので、語尾はむしろ「…と思います」のようにぽかすことを好むからです。「言い切らせたいが、そうもいかない」と覚えてください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

脱力感を誘発せよ-2

筆者がアサヒビールで撮影したときは、「では心の中で、『すべてはお客様の美味いのために!』と言ってください」と声かけしました。
これはウケました。
撮影では、必ずバシャバシャ連写します。連写した数十枚の中に「最高にリラックスした良い笑顔」が混じっています。そこから「奇跡の一枚」を選びます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら