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「雨になりました」について

 *** 「雨になりました」

「雨が降りました」という文の主語は何でしょうか。これは「雨」です。



では、「雨になりました」の主語は何でしょうか? 雨? でも、主語というのは普通「は」「が」で受けるとされていますから、この場合は、雨を主語とは考えにくいです。

ところで「雨が降りました」と「雨になりました」の違いは何でしょうか。村中の考えは、「雨が降りました」は他人事、「雨になりました」は自分事というのが違いかなと考えています。

「雨になりました」というのは、何が、雨になったのかといえば、「その場の状況」です。その状況には自分も含まれています。雨になったのは「今」です。自分がいる、今、ここが雨になりました。ですから、「雨になりました。悲しいです」という言い方も出来ます。

一方、「雨が振った」のは、昨日だか三日前だか、自分の今・ここからは離れた場所、時間です。自分との関係は遠く、感情もわき起こりません。

もう一度、記しますと、「雨になった」の主語は、「その場の状況」、「自分がいる今・ここ」です。

**** 「田中さんに読んでもらいましょう」

ある部屋で読書会が開かれています。参加者は十名。主宰者の先生が、「今日は、田中さんに朗読してもらいましょう」と言いました。さて、朗読して「もらって」いるのは誰なのでしょうか。言い換えるならば、「田中さんに朗読してもらう」という時、この文の主語は何なのでしょうか。言い換えるならば、誰が、誰に、何をもらっているのでしょうか。「●●が、田中さんに、朗読して、もらっている」 この●●には何が入るのでしょうか。「先生」ではないはずです。朗読を聞くのは先生だけでなく、参加者全員だからです。では、「私たち」? それは一応、正解かもしれません。

でも、村中は、田中さんから、朗読という行為をもらっているのは、「私たち」というよりは、「読書会という場」だと思います。私たちが参加している、読書会というこの場を、より充実した物にするために、田中さん、良い朗読をしてくださいねというニュアンスです。

*** 「新製品を発表することになりました」

「この度、我が社では、新製品を発表することになりました」という文の主語は何でしょうか。「我が社」? でも、「我が社」は「で(は)」で受けています。「で」は、「ここで制服を着替えてください」のように、場所を現す助詞です。そもそも、なぜ「発表しました」ではなく、「発表することになりました」というのでしょうか。この例だけでなく、日本語では、「結婚することになりました」、「退職することになりました」、「会社を設立することになりました」など、節目節目のイベントには、「~になりました」が多用されます。いったい、「何」が なっているのでしょうか。

村中は、これも「その場」「自分(or 自分たち)がいる今・ここ」が、何かに変した(なった)のだと考えています。

日本語では、「主語・主体が何かをする」というよりは、「その場・状況で、何かが生起する」という論理で文が組み立てられているように思います。その方が、「しっくりくる」のです。

 

 

 

 

 

 

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