製造業を取材先にして事例を作るときに、村中として気をつけていることがいくつかあります。 まず、製造業の事例を制作するときには、「ものづくりニッポン!」、「プロジェクトX!」、「現場が全て!」、「シブすぎ技術に男泣き!」系の世界観(ノリ)は、あまり取り入れないようにしています。
そういう世界観はおそらく「製造業従事者ではない一般人が好むもの」であり、現場の技術者の皆さまは、もっと冷静にフツーに仕事をしていると思うからです。
「製造業の販促を応援します」と謳うライターの自己アピール文で、「一本のネジにも心がある、思いがある、(わたしは)それを伝えていきたい」というようなことが書いてありました。
村中は、そうした文学的なテイストは、導入事例の中には、取り入れないよう心がけています。なぜなら、そういう「想い」は、見込み客への販促において有効ではないからです。
もし村中が「一本の事例にも想いがある。それを分かってほしい」 とか言い出したら、めんどくさくないですか? それと同じ事です。
製造業の世界は、日本の産業分野の中で、もっともロマン溢れる業種だと思います。しかし、そうしたロマンは、商品・サービスの購入検討資料である導入事例においては特に必要ない。仮に取材先が、そうしたロマンを語ったとしても、それは購買検討者である事例の読者には不要な「自分語り」なので、よほど面白い場合、あるいは文脈上、よほど必然性のある場合を除いて、基本的には書かない方がよい、村中としてはそう考えています。 事例制作者は読者本位でコンテンツ内容をコントロールする人でなければいけません。取材先が熱く語った、意気に感じた、ぜひ文章に書き残してあげたい!のような考えはするべきでありません。 そうではなく、取材先が語ったことが読者(=カスタマワイズから見ると、「クライアントの見込み客」)にとって有用であれば書くし、不要なら書かないという態度が良いと考えています。
