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価格優先の商品で、顧客事例が大成功した例(1)

顧客の購買意志が、価格、実物、流通【だけ】で決定する場合、お客様の声や顧客事例(顧客インタビュー)は基本的に無力です。

いくらお客様の声が多かろうとも、安い方が良いのなら、実物商品スペックが優先するなら、すぐ買えるものが良いのなら、そっちの方が良いに決まっているからです。

そんな商品の一例に「賃貸住宅」があります。アパートを探すとき、みなさんは何を基準にするでしょうか。ホームページ? 営業マンの対応? 会社としての信頼性?、お客様の声?。ちがいますよね。「家賃、物件、立地」だけのはずです。希望価格帯で、そこそこキレイなアパートが駅から3分の場所にあるなら、仮に不動産会社の対応が悪くても、その会社のホームページが今イチでも、私だったらそこに入居します。賃貸案件は物件第一。

ところが、去年、ある地方都市の賃貸マンション会社のS社長から、「ウチのマンションの入居者を増やすための顧客事例を作ってほしい」と依頼が入りました。最初は「いや~、無理かも~」と内心思いましたが、是非にとのご依頼だったので思い切って引き受けました。

それから1年、その会社が自社サイトをリニューアルし顧客インタビュー4本を掲載したらどうなったかというと……、意外にも(?)大成功しました。

S社長からのメールには「2月現在、空室はあと1室のみです(※)」、「当社の賃貸マンションはボリュームゾーンより賃料が1万円ほど高く、内心心配でしたが、結局、問題ありませんでした」、「しかも自社ホームページ経由の直売なので、不動産会社に仲介料を払う必要が無く、利益率も向上しました」、「今後は満室になっても募集を続け、キャンセル待ち用の『お待ち客様リスト』を作るつもりです」と、素晴らしい成果が記されていました。

※ 3月には満室になったそうです。

 この大成功には驚きました。思い起こせば1年前、同社を取り巻く事業環境はとても厳しかったからです。

 この会社A社の賃貸マンションは「立地は普通、管理は良好、家賃は少し高め」というコンセプトでした。以前の集客経路は、町の不動産屋さん。来店した人には不動産屋がA社の物件を紹介して、見学に持ち込み、そこでA社が管理の良さをアピールして入居契約を勝ち取るという流れでした。しかし、ある日、外部から脅威がやってきました。ネット上で賃貸物件を探せるWebサービス、リクルートのSUUMOです。

顧客がSUUMOで物件を探す場合、まず希望家賃、立地などを入力し、候補物件をリストアップした上で、いくつか現地見学して最終物件を決めます。この方式の場合、「管理は良いけど、家賃は少し高め」というA社の物件は、顧客の希望家賃に該当しないため、そもそも検索にヒットしません。町の不動産屋さんでなら、「希望価格とは少し違うかもしれませんが、いい物件があるんですよ」と紹介してもらうことが可能ですが、「○○円~○○円」とデジタルに区切られるネット検索では、A社の物件は完全に除外されてしまいます。

かといって安易にSUUMOに集客を切り替えると、賃貸物件が供給過多である現状では、必ず価格競争にまきこまれます。S社長としてはそれだけは避けたいところでした。

そこでS社長が決意したのが、A社の物件コンセプトに本当にマッチした顧客を、ネット広告を通じて自社ホームページに集め、顧客インタビューを通じて魅力をアピールし、見学者を集めるという戦略でした。それを実行して1年後、A社は「95%満室」という大成功を収めたわけです。
 
 村中は最初、S社長に「それって顧客インタビューの効果じゃなくて、ホームページとかネット広告とかの成果じゃないですか?」と聞きましたが、S社長は「いや、顧客インタビューは明らかに効果があります。だって、見学に来る人が、それを読んでいないとできないような質問をしてきますから」とのことでした。質問をしてくるということは、「読み込んでいる」「内容が顧客の関心事に合致している」ことを示しています。また、従来の不動産屋さん経由のお客からは家賃交渉が頻繁にあったのに対し、「自社サイトからの見学者様は顧客インタビューをよく読み込んでおり、弊社の価値をよく理解いただいているので、家賃交渉は全くありません(S社長)」とのことでした。



今回の仕事は、「価格、実物、流通」が優先する賃貸物件という商品を題材にするという意味で、村中も、相当、真剣に工夫を凝らして取り組みました。それが力を発揮した今回は、私にとっても記念すべき仕事となりました。

次回のブログでは、今回の難しい状況の中で、村中がどんな点に気をつけて顧客インタビューを作ったのかについて詳しく説明します。
 


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