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もし村中が20代女性向けの美容商品の事例を作るとしたら

先日、20代の女性向けの美容アクセサリーの商品を販売している会社から問い合わせ(小冊子請求)が来ました。

その会社のホームページを見ると、すでに「お客様の声」が掲載されています。これが、大変いい内容でした。

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(エリカさん、20代前半、会社員)

初めて「○○○○」やりました♪
60本付けたのに軽くて、編み込みと違ってボコボコしないし、毛質もすごくいいです☆
元々猫っ毛なので今までの○○だと毛質が違って馴染みにくかったのですが、ここの○○は毛質がとても柔らかくてしなやかなので、地毛と凄く馴染みました。ここ以外の○○○○はもう考えられないです♪
お店の雰囲気もいいですしスタッフさんも皆さん気さくな方ばかりでした。これからも利用していきたいです。

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一般消費者向け(BtoC)商品、特にファミリー商品や健康食品のお客様の声はわざとらしいものが多いのですが、これはリアル感があります。

 この文章のリアル感を支えているのは「くわしい情報」です。「60本付けたのに軽くて」、「元々猫っ毛なので」、「編み込みと違ってボコボコしないし」などの「数字」、「前提」、「他商品との比較」、これらは「実際に買って使った人しか言えない情報」なのでリアル感が増進します。

 
ためしに、この文章からそれら「詳細情報」を抜いてみましょう。次のようになります。

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初めて「○○○○」やりました♪

すごく私に合ってて、ここ以外の○○○○はもう考えられないです♪

お店の雰囲気もいいですしスタッフさんも皆さん気さくな方ばかりでした。

これからも利用していきたいです。

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文章からリアル感が消えました。また見込み客にとっての「役立つ情報」が書いておらず、ただ商品を褒めるだけの残念な文章になってしまいました。

 
もともとのお客様の声を書いた「エリカさん」は、なぜそんなにも良い文章が書けたでしょうか。村中は、その根底にあるのは「みんなにいい情報を教えてあげたい!」という女性らしい優しい心だと思います(※ これは男性が書くお客様の声にはあまり見られない特徴です)。

自分以外のみんなにももっと可愛くなってほしいから、自分の経験や役立つ情報をどんどん教えてあげたいと思うわけです。その心が根底にあるので、文章がリズム良くキラキラしています。この会社、いいお客さん、持ってますね~。

 
と感心しながら、村中はふと、「もしこの会社から村中に事例制作の注文が来たらどう作ればいいだろうか」と考えてしまいました。

これはプレッシャーの高い話です。端的に言うと、お金をもらって事例を作る立場として、この見事なお客様の声(しかも無料)に勝たなければいけませんから。


そのための方針ですが、まず女性的な共感性あふれるキラキラした文章は、40代の男性である村中に書けるわけはないので、それはナシ。別の路線を取るのが得策です。

 
その別の路線とは、ひとことでいえば「役立つ情報を、エピソードを交えて、物語る」ことになるでしょう。

 
まず「役立つ情報」ですが、美容商品というのは、女性が「キレイ」「モテ」「愛され」「許せる自分」を実現するために購入する道具です。美は女性にとって一大事ですから、非常に真剣に商品選択していると予測されます。

これは「目標を達成するための道具を購入する」という観点で見れば「大工さんのカンナ選び」「プロカメラマンのカメラ選び」と同質です。


その観点でインタビューし「役立つ情報」を引き出していけば、男性の村中でも、見込み客である20代、30代の女性にとって役に立つ顧客インタビューが作れるでしょう。


 インタビューの現場では、相手に過剰に合わせようとはしません。分かったふりをしてはいけない。男性の私がそういうことしても見苦しくなるだけです。フツーに聞く、それに徹します。経験的に、その方が確実に情報を引き出せます。

しかし、いくら役立つ情報を書くといっても、それをゴツゴツした理屈っぽい文章で書いたのでは、一般女性には読むに耐えないものになってしまいます。

そこで次の方針として「物語性」を取り込むということになります。

そもそも顧客事例とは「商品選択に役立つ情報を、先行購買者の物語を通じて、読者(見込み客)に疑似体験させるもの」ですが、一般消費者、特に女性に対しては、「情報を物語を通じて伝える」という観点は重要になります。

また「物語」という出力形態には、必ずある程度の「文章量」が必要になります。これは短文のお客様の声ではなく、顧客インタビューでないと実現できません。

さて「物語」とは何でしょうか。いろいろな考え方がありますが、必ずいえることは、「物語では、具体的なキャラクターが、具体的な行動を取る」といことです。したがって、感想や評価ではなく、行動やエピソードを書かないといけません。


ということはインタビューのときの最初の質問は自ずと決まります。女性(Aさん)にインタビューするとして、

 
「Aさんがオシャレに関心を持つようになったのは、おいくつぐらいからですか?」
 

となります。

これは村中の常套手段で、こちらスポーツクラブの事例インタビュー(http://www.s-re.jp/renaissance/voice/)のとき、最初の質問は必ず「○○さんが運動とか最初に本格的に始めたのはいつ頃ですか?」でした。これへの回答は「中学の部活からです」「小学校の頃からスイミングスクールに通ってました」「ぜんぜんやってませんでした」など様々です。

 
このように「最初の一撃」から開始し、それから現在に至るまでの変遷を時系列で丹念に追っていき、「プチ自分史」を作るような形でインタビューしていきます。


美容商品の場合であれば「Aさんの美容自分史」、カメラマンBさんに聞くのなら「Bさんのカメラマン自分史」、大工のCさんに聞くのなら「オレと大工、プチ自分史」を聞いていきます。こうして集めた「自分史情報」の中から、読者が興味を持ちそうな部分だけをピックアップし、それらを因果関係でつないでいけば、物語を形成することができます。その物語に絡めて、なぜAさんは最終的にこの美容商品に到達したのか、(カメラマンBさんはなぜこのカメラを選んだのか、大工Cさんはなぜこのカンナを選んだのか)を読者(見込み客)に伝えます。

この制作工程の場合、インタビューにおいては、所定時間内に、エピソード情報をヌケ・モレがないように聞いていくこと、ライティングにおいては、「単なるとりとめない自分語り」にならないよう、「役立つ情報」を絡めて的確に記述することが、事例制作者としてのがんばりどころ、腕の見せ所となります。

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