完成した事例の良し悪しを、社内で事前チェックするには、次のような方法があります。
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1.若手社員を2人、選び出す。一人はわりと地頭の良い、読解力があるタイプ。もう一人は、本を読むのとかキライそうな、読解力の低そうなタイプ。
2.その二人に、作った事例を読ませる。「後で感想、聞くから、それなりに真面目に読んでね」と事前に伝える。
3.読み終わった二人に「この事例にはどんなことが書いてあった?」と質問する。回答はメールでも、口頭でもどちらでもよい。
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ここで大事なのは、「どんなことが書いてあった?」と質問することです。「どうだった?」と印象を聞いてはいけません。それを聞いても「分かりやすかった」「もっとシンプルな方がいい」「今ひとつピンと来なかった」「もっとインパクトがほしい」など、テンプレ通りの回答しか返ってきません。
※ ここでのテンプレとは、「上司に質問されたとき、バカと思われないための回答文例集」と解釈してください。
そうではなく、「何が書いてあったのか?」と聞いて、覚えている内容を答えさせます。そして以下のようにグレードをつけます。
*** 【最高】:
読解力ありのA君は、事例の内容をよく再現できた。
読解力なしのB君も、事例の内容をよく再現できた。
どちらも、制作時のマーケティング意図どおりの回答だった。
→ 誰でも分かる書き方、頭に残る書き方、意図の伝達力も高い。
*** 良し
読解力ありのA君は、書いてある内容をよく再現できた。
制作時のマーケティング意図どおりの回答だった。
読解力なしのB君は、内容をあまり再現できなかった。
→ 一定レベル以上の人には分かる書き方、意図の伝達力は高い。
読者(見込み客)が「頭のいい人ばっかり」という商材なら、これはこれでOK
*** 【まあ、良し】
読解力ありのA君は、書いてある内容をよく再現できた。
読解力なしのB君も、書いてある内容をよく再現できた。
でも、制作時のマーケティング意図は外れた回答だった。
→ 誰でも分かる書き方、頭に残る書き方。ただし、意図の伝達力が高くない。 つまり、「的外れの内容を、わかりやすく書いている状態」
それでも、何かは伝わっているので、「まあ、良し」と見なす。
*** ダメ(パターン1)
二人とも、内容をあまり再現できなかった。
→ 頭に残らない書き方。読んでも何も頭に残っていないわけで、それではコンテンツとして無意味
*** ダメ(パターン2)
二人とも、内容を再現したが、「業務効率化の課題をツールを通じて解決した」のような、どうでもいい回答だった。
→ その程度のことしか伝わらないなら、何千字ものコンテンツを読ませる必要は無い。10行で程度で十分である。事例として無意味。