事例で起業するというのは、わりとすぐ決めた。理由は何だったのだろう。あらためてふりかえると、次のようなかんじだろうか。
1.1人でできる。
2.初期投資がいらない。
3.法人相手である。
4.手離れがいい。
5.作業が定型である。
6.1人で完結できる。
7.(心理的に)競合がいない。
8.市場はないといえばないが、あるといえばある。
9.「一個いくら」で値付けできる。
10.リピート性がある。
11.わりと普遍的な仕事である
12.年食ってもできる。
事例で起業という、この案に対し、周囲の反応は「ふーん」か「無理でしょ」かのどちらかだった。
「それだけでは事業とは言えない」
「大手の固定客でもつかまないと無理」
など言われた。そのたびに「え、なんで無理なの? OKに決まってるじゃん」と心の中で思った。
当時の私の基準は、
「会社員時代に取っていた給与と同等あるいはそれ以上の収入がえられるかどうか」
「会社員と同等あるいはそれ以上の長期間にわたり続けられるかどうか」
の2点だった。事例の仕事は、単価と本数で粗計算しても、この2条件は、まあ、満たしていた。「無理だ」「ダメだ」とイメージで言われても、粗いながらも「計算」が根拠だったので、特に揺らぐこともなかった。