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事例で「共感」を追求するのはむずかしい。

「事例では共感性が重要だ。読んだ人が共感できるような内容にすることが重要だ」という話を聞くことがあります。

率直な話、私はこういう考え方を「役に立たない正論」に分類しています。正しい。文句はない。誰も否定はできない。しかし、実用の役に立ちません。

百歩譲って、「事例を発注する側・企画する側(=作らないひと)」の言葉としては良いかと思います。しかし「作る側」、たとえば私のような人間は、このような言葉は使わない(使ってはいけません)。

というのも「○○が重要だ」というだけでは不十分、あるいは無意味で、「ではどう書けば○○が実現するのか」まで考えないことには、制作場面での実際の施策・行動につながらないらです。では「共感」とはどう書けば実現するのか?

共感とは、要するに「うんうん、わかるわかる、私もそう!」という感情のことだと思っています。自分と同じような人間が、自分と同じようなことをしたり、思ったりしていると知ったとき、その相手に共感という感情が湧きます。

「共感」が生起するにはいくつか条件があります。まず受け手と、その「相手」が同じ属性であること、(あるいは同じだと受け手が思い込むこと)が必要です。一般的に、女子高生が中年のおじさんに「共感」することはありません。逆もそうです。相手と自分に共通項がない場合、共感という感情は湧かない。

事例において、この「共通項」とは、取材先と読み手(見込み客)が「同規模・同業種・同社風」であることにより実現されます。一般に、中小企業の人が大企業に「共感」することはない(規模が違う)。また食品会社の経理の人が、IT企業の技術者に共感することもほぼない(業種、職種が違う)。ベンチャー企業の若者が、伝統企業のおじさんに共感することもまずありません(社風・気風が違う)。共感を惹起させたいなら、まず取材先と読者(見込み客)の規模・業種・社風を揃えることが重要です。

しかし時には、共通項なしで共感を引き起こすことが可能な場合があります。それは「失敗談」を通じてです。一般に人は「うまくいった話」ではなく、「失敗した、やらかした話」に共感します。

では共感性の高い事例を作るには、事例の中で失敗談を書けばよいのでしょうか。まあ、理屈上はそうです。しかし、これはほぼ実現不可能です。なぜなら取材先は自分の失敗談など語りたくない、あるいは立場上、語れないからです。

取材先は自社を代表する形で事例の取材に応じています。なのに、そこで「やらかした話」をうかつに語り、それが社内の他部署、上司が見られたとしたら、「何を余計なことをペラペラしゃべってるのだ」と非難されることでしょう。あるいは取材先の顧客や取引先がその事例を見たとしたら、「この会社大丈夫かな」と思うかもしれません。

事例には、あくまで「会社として」取材に応じています。いち個人として取材を受けているわけではありません。会社のイメージダウンにつながるようなことはいえません。

こうした理由があるため、企業の事例で共感を誘うような失敗談を書くのは、不可能とまでいわないにせよ、非常に難しいといえます。

個人的に、事例作りでは「納得(=なるほど、まあ、そりゃそうだな)」は必須ですが、「共感(=それ、わかる~!)」は、「あるとなおいい」ぐらいの位置づけにしています。

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