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※「全体の読み味」には要注意。

前回は「ポジティブなキラーワードのような、派手な誉め言葉、刺激は、書き手が思うほど効果的でない」と書きました。

ところで、それよりはるかに大事なことがあて、それは「事例全体の『読み味』を肯定的にまとめること」です。これは細心の注意を払って実現すべきです。

ここでの「肯定的」とは「読んでいてイヤ感がない」とも言えます。ポジティブなキラーワードが、売る側の「あなた」が気分がいいのに対し、読み味は、その字のとおり、事例を読む側、商品を買う側の読者(見込み客)の気分がいい、という話である点に注意です。


これを実現するには「論理、内容がネガティブな場合でも、論調、言い方はポジティブにする」「全体の話の流れ、つまり下がったり、上がったりの部分をしっかり制御する(=下げたら、上げる)」「物の言い方、書き方(いわゆる「口の利き方」)に気をつける」「『縁起でもないこと』を書かない」などです。なお例外的に、「スイカに塩」の法則で、ネガティブ情報をひとつまみ入れることはありえます。

どんな書き方なのか、どんな文章なのか、具体例を出したいところですが、この「読み味の制御」はけっこう微妙な話であり、「これさえやれば大丈夫!」という必殺テクニックはありません。


とにかくひたすら読者(=見込み客)の気持ちを想像しながら、これを読んだら読者はどう思うだろう、と一字一句にわたり、ある意味、ビクビクしながら書くことが重要になります。

読み味の良い書き方とは、「読者がこちらのメッセージが受け取りやすくなる書き方」とも言い換えられます。事例も大きくは広告の一種であり、広告の目的とは、その商品のよさを伝え、関心を持ってもらう、買ってもらうことです。だから、その広告メッセージがより「受け入れられやすくなるよう」書くのは重要なことです。


ちょっと脱線します。いま書きながらふと思いました。「メッセージが受け取りやすい書き方」とは、もしや「納得感」のことかもな、と。「納得感」とは簡単にいえば「なるほど」のことです。

この「なるほど」を実現するには、「情理を尽くして説明する」という姿勢が必要になります。

まず「理」は重要です。感覚だけではダメ。特にBtoBの場合、「理」は必須です。そしてその「理」は、階段のように、一段ずつ上がれる、上りやすい高さで疲れず上がれるように組む必要があります。2段も3段もすっとばすような「登れない階段」を作らないよう気をつけます。

次に「情理の”情”」の部分。これは「理が受け取りやすくなるよう、気持ちの部分で反発を受けないよう書くこと、ともいえます。これは、せっかく構築した論理を読者にするする飲み込んでもらうこと、「え?」と立ち止まったり「なんかイヤだな」と忌避されないよう気を付けること、ともいえます。

 

 

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