いわゆる「こなれた日本語」の書き方ですが、それは一言でいえば、「動詞中心で文章を組み立てる」ということだと思います。
たとえばDone is better than perfect のような意味を伝えたい場合、
「完了は完璧に優る」と書くのが名詞的な文章の組み立て
「完璧を目指すより、まず終わらせろ」と書くのが動詞的な文章の組み立てです。
Mary looks prettier with her hair cut short.という意味を伝えたい場合でも、
「メアリは短髪の方が可愛い」よりも、
「髪を切ったらメアリは可愛くなった」とした方が、雰囲気がよく伝わります。
日本語というのは、「動詞にすべてがくっつく言語だ」という説もあるほどです。
(※ ちなみに今書いた、<< 日本語というのは、「動詞にすべてがくっつく言語だ」という説もあるほどです >> というのは、名詞的な文章ですが、村中はこういう場合、長ったらしい名詞節は、<< 「動詞にすべてがくっつく言語だ」 >> のように「」で括ることを好みます。その方が単語同士の掛かりが明確になる気がするので)
以下は、最近、カスタマワイズの制作者の文章を添削した際の例です。
(添削前: 文章が名詞的)
‘—————————————————————
元来、【不動産資産の土地活用の営業】においては、【営業マンから地主さまへの直接営業】がメインですが、【時代や相続をされる対象の方】も変わってきているため、【従来の方法】だけではなく、【WEBでの集客】も【重要度】が増してきました。
—————————————————————
元来、【A】においては、【B】がメインですが、【C】も変わってきているため、【C’】だけではなく、【E】も【F】が増してきました。
—————————————————————
↓ ↓ ↓
(添削後: 動詞的な文章に変えてみた)
—————————————————————
【弊社のような不動産会社】が【地主さま】に【土地活用をすすめる】とき、通常は【営業マン】が【直接対面してご案内】します。従来はこれが【主流の方法】でした。しかし、最近は【時代の流れ】も、また【被相続人の好み】も【変わって】きました。お客様には、【直接対面】だけでなく、【WEB】を通じても【ご案内】する必要があります。
—————————————————————
【A】が【B】に【C】するとき、通常は【D】が【E】します。従来はこれが【F】でした。しかし、【G】も、また【H】も【I】してきました。お客様には、【J】だけでなく、【K】を通じても【L】する必要があります。
—————————————————————
なお、文章を「書くとき」には、名詞的な文章の方が、書くのが簡単です。しかも、漢字を多くすれば、「なんとなくご立派そうに見える」という余録もついてきます。
しかし、読みやすいのは、動詞的な文章の方です。動詞的な文章は、やってみれば分かりますが、書くのは、けっこく大変です。
つまり、名詞的な文章は、書き手に優しく、読み手に厳しい。
一方、動詞的な文章は、書き手に厳しく、読み手に優しい、
というわけです。
カスタマワイズは、文章を書いてお金をもらう「文章の外食産業」なので、やはり、動詞的なこなれた日本語を書くようつとめるべきです。