数字に客寄せ効果があるのは事実-3

ただし、この場合は「30倍」で人目を引いたその後が大事です。「電子メールで30倍効率化」はそれだけでは「ありふれた話」であり、自社製品の相対優位を表現したことになりません。筆者が取り組むなら、事例記事の本文では、メールシステム〇〇は他社製品に比べて何がよいのかという「相対評価」を書きます。それ以外に「社内の抵抗勢力にどう対処したか」も書くでしょう。
FAXの代わりに電子メールを使うとなると、一般社員の業務手順が大きく変わります。しかし現場社員、特に年配の社員は仕事の手順が変わることを嫌います。電子メールを既に導入した企業がこの抵抗をどう乗り越えたかは、事例を読む見込み客が関心を持つ情報です。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

数字に客寄せ効果があるのは事実-2

この考えをある人に話したところ、「もし村中さん(筆者)が30年前に電子メールの事例を作るとしたら『FAXに比べて効率30倍』というフレーズを本当に使わないんですか?」と言われました。これはつまり「『30倍有効』というフレーズが無意味だという話は、理屈としてはわかった。だが30倍だぞ、30倍。本当にこの数字をキャッチコピーに使わないのか?」と聞かれているわけです。
このとき筆者は「いえ、使います」と答えました。理由は「当たり前だろうが誰でもできる話だろうが『30倍』という数字には確かに迫力がある。客寄せのために使わない手はない」というものです。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

数字に客寄せ効果があるのは事実

時計の針を今から30年前、インターネットの普及開始期である1996年まで戻してみます。あなたはそこで電子メールシステムを販売する会社に勤務しており、マーケティング部員として事例を作っているとします。さてこのとき「電子メールシステム〇〇の導入により、FAXに比べて業務効率を30倍改善」というキャッチコピーは、有効性があるでしょうか、ないでしょうか。
まず、電子メールがFAXより効率的なのは、車が自転車より速く走るのと同じくらい当たり前の話です。またその効果は、どのメールソフトでも実現できます。理屈の上では、このキャッチコピーは有効性が低いということになります。(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事例の話者は、“冷たい“ユーザーである

事例の中で喋っているのは、売る側の企業ではなく、買った側の顧客です。商品パンフレットは企業が自分の商品を自画自賛する“熱い”
広告媒体ですが、事例は、他人の商品を他人が評価して語る“冷たい”媒体なのです。パンフレットでは企業が自社製品を熱くアピールしても問題はありません。それが効果的かどうかはさておき、少なくとも不自然ではありません。一方で、事例の文章中に、「決め手はサービスとサポートでした」「今やなくてはならない存在です」「最初からこの製品しかないと確信していました」のような賞賛ばかりが書いてあると、せっかく客観的なはずの事例が、企業が後ろで操作しているステルスマーケティングのように見えてしまいます。事例では、顧客が冷静かつ客観的に導入商品を評価する方が自然です。
事例の論調は冷静であるべきです。コンテンツの中で話者である願客は「その商品に対してむやみに熱くならず、数ある選択肢の一つとして冷静に評価する」という姿勢を貫く必要があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

無形商材の「商品の使い道」は自明ではない

商品企画権がない人、つまり今ある商品をもっと売るのが仕事の人が知るべきことは何でしょうか。それは顧客ニーズではなく「商品ニーズ」です。顧客の全般的な困りごとよりも、「いま売っている商品への明確なニーズ」の方が重要です。
商品ニーズとは簡単にいえば「商品の使い道」のことです。BtoB販促担当者は、まず「自分が売っている商品の使い道」を正しく認識する必要があります。こう言うと「バカにするな、自社商品の使い道ぐらい、もちろん知っている」と思うかもしれません。しかし販促担者は「自社の商品を売りたい人」であり「買って使っている人」ではありません。本当に正しく把握できているか確認が必要です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

事例のアポ取り、外注は無理

テレアポを外注化するように、事例の出演依頼も外注化できないものかとつい考えたくなります。残念ながらこれは原理的に困難(無理)です。もし外注するなら、その外注企業は既存顧客の電話番号やメールアドレスを知った上で、事例に出てくださいと顧客にコンタクトすることになります。しかしこれは既存顧客から見ると、「知らない会社から連絡が来て事例に出てくれと言われた」という不審な話になります。そうした事態を避けるには外注企業と契約書を交わし、スタッフを常駐させ、自社のメールアドレス、自社の電話番号を使わせた上で顧客に連絡させる必要があります。しかし事例出演依頼のためにそこまで手間をかけるのは現実的でありません。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

わらしべ長者、意外に早い

筆者の会社員時代の経験です。自治体の事例を作りたい、できれば県庁のような大きなところがよいと思いました。しかし前例がない状態では依頼しても成功する見込みは薄い状況でした。そこでまず「町」「村」の事例を作り、それを前例にして次に「市」の事例を作りました。その次は「政令指定都市」、そして最後に「県」の事例に至りました。これは民話の「わらしべ長者」と同じ方法です。わらが馬に変わるスピードは案外速いです。あれこれ考え込むより、やったほうが速いです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

応用プロファイリングで押さえておくべき情報-7

(10)問い合わせ、商談の相手
最初に問い合わせしてきた人、その後商談をした人の部署や役職を明らかにします。

(11) コンペになったかどうか
顧客側で複数の候補製品を比べていたのか、それとも実質上、製品Xだけが候補だったのかを明らかにします。コンペになっていた場合は、その候補製品の名称をわかる範囲で明らかにします。

(12)コンペの一部始終
その後、比較コンペがどのように進んだのか、その一部始終をわかる範囲で明らかにします。

(13) コンペに勝った理由
最終的にコンペに勝った理由を推測します。本当のところは取材しないとわかりませんが、ここでは「こちらから見た風景」として理由を推測します。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

応用プロファイリングで押さえておくべき情報-6

(7) 以前から取引があったかどうか
あなたの会社とA社の取引関係を整理します。例えば、「以前から取引がある。関係は深い」「一応、以前から取引はあるが、小規模取引。関係は浅い」「今回が初めての取引。まったくの新参者」
のどれなのかを明らかにします。

(8)案件発生の経緯(売り込んだのか、問い合わせがあったのか)
今回の案件がなぜどのように発生したのか、売り込んだのか、それとも向こうから問い合わせが来たのかを明らかにします。

(9) 課題発生の経緯
問い合わせ発生前に、顧客側でどんな課題があったか、製品導入以前はその課題にどう対処していたのか。それら一部始終をわかる範囲で明らかにします。

(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら

応用プロファイリングで押さえておくべき情報-5

(6)「商談から製品導入までのプロセス」をつかむ
案件発生時期、導入決定時期、設計構築期間、稼働開始時期を明らかにします。例えば以下のように整理します。年表を作る感覚です。

2025年10月:問い合わせ
2025年12月:導入決定
2026年1月~5月:設計・構築
2025年6月:稼働開始予定

(つづく→)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
事例ノウハウをもっと詳しく知りたい人のための書籍「導入事例バイブル」はこちら