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社長と取材

法人相手の事例取材では、一般的に「取材相手の役職が高いほど事例の価値が上がる」とされています。課長よりは部長、部長よりは事業部長の方が望ましいということです。
。この線で考えれば、最良の取材相手は企業の最高役職、社長だということになります。

しかし、実際に何度か社長相手の取材を行う中で、「社長が出るのも良し悪しだな。。。」という感想を持つようになりました。ひとことで言うと、社長が出ると内容が「平べったい話」になりやすいのです。

***1:社長は現場の細かいことは知らない。

事例とは「製品の販促ツール」です。しかし、社長は、特定製品の選択には関与しないことのほうが普通です。だから社長に対し「なぜ弊社の製品をお選びいただいたのでしょうか?」など質問しても、その場でとってつけたような、平板な答えが返ってきます。それは読者(=見込み客)にとって、役に立つ情報ではありません。

***2:社長の話は抽象的になりやすい。
社長は、常に「部下から、他社から、どう見られているか」を意識して話す人です。事例取材でも、「社長として恥ずかしくないこと」をしゃべらなければいけない。なので、大所高所の視点に基づく、抽象的な話が多くなる。要は、社長の中のストックフレーズを持ち出して、もっともらしい、あたりさわりのない内容を話されて終わることが多いわけです。

***3 社長が同席していると、部下の話も制限される。

社長が大きな話しかしないなら、現場のこと、細かいことは同席している部下に聞けばいい? ところが、これも上手くいきません。なぜなら、同席している部下は、当然、自分の発言内容を社長の談話に合わせてチューニングしてくるからです。社長が平板なことをしゃべれば、部下もまた平板なことをしゃべる。部下が社長の話を逸脱することはありません。「現場のリアルな話」も抑制されます。

このように、「内容(文章)の充実」という観点で考えると、「社長」が出ても、実はそれほどいいことはありません。

(※ ここ、誤解を受けやすいので補足です。社長が「よくない」という話ではありません。「特別いいというわけではない」「よくないこともある」というぐらいの話です)

しかし、「事例の箔づけ」という観点でいえば話は別。やっぱり社長が出ているほうが華々しい。説得力がちがいます!

では、どうすればいいか。おすすめの方法は、
「写真だけ社長に出てもらう」というものです。事例取材の後半15分、「写真撮影」のときだけ顔を出してもらい、社長コミで写真に映ってもらいます。

文章については、「カコミ記事」のような形で、社長の談話をのせればよい。この談話は特に面白くある必要はなく、平板なあたりさわりのない内容でOKです。

こうすれば、文章内容の充実と、事例の箔付けを両立、いいとこどりにできます。