顧客プロファイリングがうまくいくと、見込み客の気持ちになってインタビュー、撮影、ライティング、キャッチコピーを考案できるようになります。そして見込み客に強くアピールする効果的な事例が作れるわけです。便宜上、「顧客プロファイリング」と言っていますが、正確には「見込み客プロファイリング」です。(つづく→)
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月別アーカイブ: 2023年9月
見込み客になり切る
筆者は、事例の設計を「顧客プロファイリング」と呼んでいます。この場合の顧客とは、事例の読者(見込み客)のことです。筆者は事例制作の依頼を受けた場合、依頼主であるクライアントに出向いて2時間ほどあれこれヒアリングさせてもらいます。そうすることで、筆者は事例の読者(見込み客)の像を立体的に構成し、「あたかも背中にしょえるかのごとく」という状態になります。見込み客になり切るわけです。これが「顧客プロファイリング」です。(つづく→)
「ウチの業界は特殊だから」と言うのは気分がいい-2
しかし、筆者が今まで数多くの業界の事例を作ってきた経験からいうと、世の中に特別な業界はありません。一見、特殊に思えてもそれは業界用語が変わっている程度のことです。どの商売も何かを納品して代金をもらっているという点では変わりありません。
「ウチの業界は特殊だから」と言うのは気分がいい
「顧客が事例出演などするわけがない、なぜならば~」のように、理屈で白黒をつけるのはやめましょう。そういう理屈より、「たまにいい人がいる」という確率論のほうが現実的です。 「ウチの業界は特殊だから」という発想もやめましょう。「君にはわからないだろうけどね、ウチの業界は特殊なんだよ」と言うのは、発言している本人は気分がいいものです。特殊と言いながら言外に「自分は『特別』なんだ」と主張しているからです。(つづく→)
クロージングでの事例の使い方-2
それを実現するためにも、商談相手の担当者には普段から事例のURLやパンフレットを通じて事例ネタを継続的に供給しておく必要があります。担当者の社内営業を、事例を使って支援するわけです。 事例はあくまで道具にすぎませんが、非常に強力な道具であることば間違いありません。うまく使いこなせば営業成績は必ず上がります。
クロージングでの事例の使い方
営業のクロージングというと、「ではこの契約書にサインを…」のような形で、目の前の商談相手からOKを取り付けることと想像しがちです。しかし法人営業では、「担当者が稟議書を書いて上司の承認を得る」というクロージングが一般的です。 ここで稟議書に参考資料として他社の事例が添付してあれば、承認される確率が上がるのはいうまでもありません。
アピールではなくニュースバリュー-2
一方、ニュースバリューを重視する場合、5W1H、いつどこで誰が何をしたという冷たい事実が重要になります。こうした情報は形容詞ではなく、名詞と動詞で表現されます。 情報にニュースバリューがあるとはどういう状態か。それは話を聞いた受け手が「へぇ」「ほう」と意外性を感じている状態のことです。ニュースバリューは、言い回しなど文章技巧を凝らしても高まりません。むしろどの事実に着目するかという冷静な視点が重要です。
アピールではなくニュースバリュー
事例では、アピールやマーケティングメッセージのような「熱い語り」よりも、「冷静なニュースバリュー」の方が有効です。文章制作の観点から見たとき、アピールとは「素晴らしい!」「異次元の衝撃!」「なくてはならない!」「かつてない!」「ジャストフィット!」「守りではなく攻めの○○を実現!」など形容飼や副詞です。こうした言葉の特徴は、表現は多彩でも内実が薄いことです。(つづく→)
いい人は必ずいる-3
こういうとみなさんは「事例出演依頼が確率論だなんて、それじゃ単なる行き当たりばったりの出たとこ勝負じゃないか…」と失望したかもしれませんが、それは違います。確率論であるなら、「いかに確率を上げるか」を考えればよく、方法が改善されれば確率は上がります。確率を上げるにはいろいろな方法がありますが、筆者の経験で特に効果が高かったのは「前例を見せる」ことでした。
いい人は必ずいる-2
しかし確率論には過酷な面もあります。10人に1人はOKをくれるといっても、その1人に最初から出会えるとは限りません。最悪の場合9人に断られてからやっと会えることもあります。だからこそ、1社や2社に断られたからといって、「顧客は事例出演などしてくれない。なぜならば~」と安易に理論構築してはいけないのです。