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感情的な購買動機をつかむ

法人の購買は組織としての購買ですが、組織を構成しているのは結局「人」であり、その行動の根底にはやはり「感情」があります。ここでは商品・サービスを買うときの担者の感情的な動機を認識します。法人顧客の感情的な購買動機は大きく次の3つに分類できます。

前向き
前向きというのは、「売上を上げるぞ!」「コストを下げるぞ!」などやる気の感情のことです。あるいは「出世したい(中堅社員)」「早く一人前になりたい(新入社員)」「早く業績を上げて周囲に認められたい(中途入社したての人)」など個人の状況に基づく感情でもあります。「良い仕事をしたい」という素直なやる気もここに該当します。
ガッツポーズをしながら発話するのにふさわしい感情、あるいは語尾を「~したい」「~するぞ!」にして、しっくり来る言葉がこれに当たります。

(つづく→)

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「例えば?」への答えは必ず具体的になる

「例えば?」のほうが「具体的には?」より、質問のスコープが狭く限定的です。抽象的なことを言う人に「具体的には?」と聞くと、「具体的には弊社の創業理念である〇〇に基づいた~」のように、全然、具体的ではない回答を返してくることがあります。これは「具体的には?」という質問自体がちょっと抽象的だからです。一方「例えば?」と聞くと、相手は必ず実際の例を挙げて答えざるを得ません。
「例えば?」は、回答内容を制限する力が強い質問形式です。

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「例えば?」は便利な質問

深掘り質問「例えば?」は、実は非常に安全かつ有効な、使いやすい質問です。
「弊社ではさらなる品質の向上、従業員のモチベーションアップ、そして目まぐるしく変化する市場環境への対応を目指し、このたび業務効率化と社内コミュニケーション環境の改善を図りました」と言われた場合は、「ご説明ありがとうございました。いただいたご趣旨をもう少し掘り下げてお伺いしたいのですが、今お話のあった『業務効率化を行った』というのは、例えばどんなことを……?」のように聞きます。
この質問は、「例えばどんなことを……」の部分を「具体的には?」と置き換えても成立します。つまり「例えば?」という質問は、聞いている内容自体は「具体的には?」と同じです。微妙に違うのは、「質問のスコーブ」と「腰の低さ」で、この2点により「例えば?」という質問は「具体的には?」よりはるかに優秀です。

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「なぜ、それをしなかったのか?」は強力な質問-2

「市場環境への変化の対応という場合、マーケティング強化、営業力強化などさまざまな方策があり得ますが、その中で特に業務効率化に注力したのはなぜでしょうか」のように聞きます。もし相手が「業務効率化」を真剣に考えているならば、なぜ営業力強化でもマーケティング強化でもなく業務効率化だったのか、その理由が論理的に回答されます。そうではなく、「業務効率化」は決まり文句で適当に言っただけという場合は、適当にごまかすような回答が返ってきます。「例えば?」と同様に「なぜ、それをしてほかをしなかったのか?」という質問も、相手の回答の真剣度を測る“リトマス試験紙”となり得ます。

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「なぜ、それをしなかったのか?」は強力な質問

相手が「弊社ではさらなる品質の向上、従業員のモチベーションアップ、そして目まぐるしく変化する市場環境への対応を目指し、このたび業務効率化と社内コミュニケーション環境の改善を図りました」と回答したとき、「なぜですか?」と理由を聞いたとしても、「先ほど説明したと思いますが……、品質の向上、従業員意欲向上、市場環境変化への対応が理由です」と逃げられて終わる可能性があります。この場合は「なぜそれをしたのか」という問いを一歩押し進め、「なぜそれをしてほかのことをしなかったのか?」という形式で聞けば、相手が逃げられなくなります。(つづく→)

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絵にならないなら不適切

ある取材先で「背景は業種がわかるものが望ましい」と伝えたところ、「ロビーにある50インチのテレビで会社紹介のビデオを流しています。それを背景にするのはどうですか」と提案されました。この案は一見正しそうに見えて、実は不適切なので丁重にお断りしました。
なぜこの案は不適切なのか。それは、当人にとって「会社紹介ビデオが映ったテレビ」でも、他人からは「単なるテレビ」にしか見えないからです。「会社紹介ビデオが写っているのだから背景としては適切だ」というのは観念論です。写真はビジュアルなので、常に「絵としてどう見えるか」を基準に判断しましょう。

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助詞「も」を追放

筆者は文章を書いていて、助詞「も」が出てきたときは、自分の論旨が甘いのではと反省して文章を見直すことにしています。

「このシステムを導入した理由には~という側面もあります」
「この製品には~という効果もあります」

上のような文章を書いたとき、あ、これはダメだとまず自己批判するわけです。このとき「このシステムを導入した理由にはAという面があり、またBという側面もあります」のように2つ以上の要素を並列して書いているなら問題はありません。ところが多くの場合、「このシステムを導入した理由にはBという側面もあります」のように頂目を一つしか書いていないことが多いのです。

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センセイ立場の難しさ-3

では、コンサルタントの事例はどう書けばよいのでしょうか。一つの方法として、なぜうまくいったかの分析を、顧客ではなくコンサルタント自身が語るという手があります。事例の黄金構成のうち、「話の地図」は顧客が語り、「謎解き」の部分をコンサルタントが説明します。具体的には、「従来業務の課題分析」「問題のありどころ」「問題を解決する方法」「その解決方法が最も有効である理由」などを顧客ではなくコンサルタント自身が語るのです。記述形式としてはカコミを使うことになります。
テレビの通販番組では、商品説明とお客様の声を紹介したあと、白衣の学者が出てきて商品の効能の科学的根拠を語る形式があります。
商品説明に専門家の解説が差し込まれるのは「よくあるパターン」であり、適切な流れの中で展開すれば不自然になることはありません。

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センセイ立場の難しさ-2

この前提で事例ストーリーを作ると「こんな課題があり、どう解決してよいかわからなかったのでコンサルタントの〇〇さんに相談し、言われたとおりに実行したら成果が出ました。どうもありがとうございました」という構造になります。しかしこのストーリーは、「高僧の指示通りお百度参りしたところ願いが成就した」という話と大差ありません。「理由は不明だがやってみたらうまくいった」という点はどちらも同じで、少々、怪しい話に読めてしまいます。
だからといって、事例の中で、顧客自身が課題を解決できた理由を 理路整然と語るのも不自然です。「そこまでわかっているなら最初からコンサルティングなど頼まなくても自力で解決できるじゃないか」と思えるからです。(つづく→)

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センセイ立場の難しさ

ここではコンサルティングを厳しめに定義して、「智恵をさずける(教えてあげる)ことで対価をもらうこと」とします。逆にいえば、「具体的な何かをしてあげている」「作業を代行している」場合はコンサルティングではないと見なします。セミナーや面談を提供するならコンサルティングだが、ホームページ制作やチラシづくりを代行するのはコンサルティングではないということです。
コンサルティングの成果物を「智恵・情報」とすると、顧客がそれを買う動機は「いまの自分の智恵では不十分だから専門家に学びたい」となります。これは「自分は知らないので教えてほしい」ということであり、コンサルタントと顧客の間には先生・生徒の構図が成り立つことになります。(つづく→)

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