事例の読者(見込み客)を想定する

事例とは「読み物」なので、筆者はターゲット顧客ではなく「想定読者(見込み客)」という言葉で発想します。こう言うと、「読者想定なんて面倒なことをしなくても、例えばウイルス対策製品の事例なら「ウイルス対策に関心のある企業担当者に読ませる」でいいじゃないか」、そう思うかもしれません。

しかしそれは、例えばファッション雑誌を創刊するとして、「想定読者はファッションに興味がある女性です」と言うのと同じくらい安易な考えです。〇〇製品の事例の読者を「〇〇に関心がある企業担当者」に設定するのは同語反復にすぎません。

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広すぎると何を指すのかわからない

商品のジャンル名称の注意点として「あまり広すぎる名前をつけない」ことがあげられます。例えば「業務効率化システム」のような名称は、ジャンル名称として対象範囲が広すぎます。電子メールも電子帳票システムもEDIもワープロも、どれも「業務効率化」を実現するものです。ここで「業務効率化システム」と名付けても、具体的に何を指すのかわかりません。

広すぎるジャンル名称をつけることは、マグロを「生物」と表現するのと同じです。間違ってはいませんが話が広すぎます。少なくとも「魚とまでは答えるべきで、できれば「高級魚」「大型回遊魚」ぐらいまで絞り込みたいところです。

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情緒的な修飾語は認識をぼやけさせる

ある企業で基礎プロファイリングをしていたときのことです。商品のジャンルとして「FAXによる販売店向け商品情報提供システム」という定義に落ち着こうとしていたとき、その場にいた上席者から「「双方向型」という言葉を加えてほしい」と要望がありました。その意図は「私たちは一方通行の押しつけ型情報提供ではなく、販売店との双方向の交流を大事にしている。それを表現したい」ということのようでした。しかし残念ながら「双方向」という名称は論理的に正しくありません。

FAXは、送信側から受信側へ情報を一方的に送る仕組みであり、明らかに片方向型の通信媒体だからです。電話やチャットは互いに話すので双方向型ですが、FAXはこれに該当しません。論理性に欠ける情緒的な修飾語を使うと、認識の輪郭がぼやけて事例設計の品質が低下します。

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趣旨説明をすれば相手の不安を的確に解消できる

そもそも顧客は事例インタビューのとき、なぜ緊張するのでしょうか。それは「これからいったい何が始まって、どんな目に遭うのかわからない」という不安があるからです。

「いったい何を作るつもりなのか?(事例取材、何それ?)」
「どこにどう掲載されるのか?(ヘンな載り方すると困るんだが……)」
「掲載前に原稿チェックはできるのか(いきなり掲載されても困るんだよね……)」

こうした不安を解消するには、趣旨説明を通じて一つひとつの疑問に対し説明するのが最も有効です。アイスブレークをしても雰囲気が和らぐだけですが、趣旨説明なら相手の不安を解消できます。

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IT導入効果の作文表現-3

何かヘンですよね。だってERPがなくても管理会計は可能だし、SFAやCRMがなくても少なくとも良い営業やマーケティングは「不可能」ではありません。
この違和感は、次のように文章を修正すれば簡単に解消できます。

「ERPの導入で管理会計を効率化」
「SFAの導入で営業を改善」
「CRMの導入でマーケティングを改善」
「生産管理システムの導入で生産体制を改善」

LEDや重機など発明や設備の導入効果は、「できない→できる」「ない→ある」のように効果がハッキリしています。しかしIT製品の導入効果は「より良くする」「改善する」「効率化する」という”なだらかなもの”になるのです。

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IT導入効果の作文表現-2

上記4つの文章には何だか違和感を覚えませんか? 文章をひっくり返すと違和感の正体が明らかになります。まず先の2つの文章をひっくり返してみましょう。

「以前は青色LEDがなかったので、LED信号が作れませんでした」
「以前は大型重機がなかったので、重機が必要な大きな仕事は受注できませんでした」

これは正しい論理です。ではITの文章をひっくり返してみます。

「以前はERPがなかったので、管理会計ができませんでした」
「以前はSFAがなかったので、良い営業ができませんでした」
「以前はCRMがなかったので、良いマーケティングができませんでした」
「以前は生産管理システムがなかったので、良い生産ができませんでした」

(つづく→)

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IT導入効果の作文表現

まず次の文章を見てください。

「青色LEDの発明で、LED信号灯を作れるようになった」
「大型重機を導入したので、重機が必要な大きな仕事を受注できるようになった」

これはOKですね。では次の文章はいかがでしょうか。

「ERPの導入で、管理会計ができるようになった」
「SFAの導入で、良い営業ができるようになった」
「CRMの導入で、良いマーケティングができるようになった」
「生産管理システムの導入で、良い生産ができるようになった」

(つづく→)

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商品企画権はあるか?-3

一方、法人向けBtoBは「ヒット商品で一発逆転」というより、むしろ「信頼と実績でコツコツ」という分野であり、そのマーケティングは良くも悪くも地味で地道です。
あなたにもし商品企画権があるなら、顧客ニーズをつかむことは大きな意義があります。そのニーズを満たす新商品を開発すればよいからです。しかし、もしあなたの仕事が「今ある商品をもっと売ること」だとしたら、顧客ニーズを漠然と調べても意味はありません。ニーズがわかったところで、今ある商品がそれに呼応しているとは限らないからです。

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商品企画権はあるか?-2

その状況でプログラマを続けることに疑問を持った筆者は、マーケテイング部に配置転換を希望しました。それからは「本社の作った商品を売る活動」にいそしみました。
筆者の例は少々極端かもしれませんが、多くのBtoB販促担当者にとって、「売るべきものが既に決まっている」ことのほうが普通の状態だと思います。清涼飲料水、化粧品、自動車など個人向けBtoC商品であれば、マーケティング活動の中心は「商品企画」かもしれません。社内からは「ほうっておいてもバカ売れするようなヒット商品を開発してくれよ」と熱い期待が寄せられているでしょう。(つづく→)

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商品企画権はあるか?

マーケティングの業務内容は大きく「商品企画」と「販売促進」に分かれます。つまり、売れる商品を作るか、今ある商品をもっと売るかどちらかです。BtoB企業のマーケティング部は通常、後者の業務を担当しています。
筆者の経験を少しお話します。筆者は日本の会社にプログラマとして勤務していましたが、ある日、勤めていた会社が外資系企業に買収されてしまいました。外資系では新商品の企画・開発権は海外本社にあり、日本支社は商品にあれこれ口出しする権限はありません。海の向こうの本社が作ったものを黙って売る、それが日本支社の仕事です。(つづく→)

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