導入効果を的確に書くには-5

ここで気をつけるべきは、将来の成果を実現するのは「基盤」ではなく、「基盤の上で活動する人や企業」だということです。その意味では、「仮想サーバの導入により、経常利益が150%アップ」という表現は、論理が飛躍しすぎです。仮想サーバの導入でIT環境が改善されたのは本当だとしても、それを経常利益の増加という最終成果につなげたのは、ITを使いこなした社員の活動だからです。基盤とは、文字どおり「盤として下にあるもの」、黙って働く縁の下の力持ちであり主役ではありません。

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導入効果を的確に書くには-4

タイプ3「基盤の確立」
IT事例では「基盤」という言葉がよく使われます。例えば「仮想サーバの導入により業務基盤を整備」「ERPの導入により経営戦略遂行のための情報基盤を確立」「生産管理システムの導入で世代の生産高度化に向けた基盤を確立」のように言います。
基盤とは、基礎となる盤、つまり「土台」のことです。建築では、まず基盤(基礎、土台)を固め、その上に何らかの建築物を建てます鉄道網、道路網なども経済発展の基盤と表現されます。大昔には人が歩く街道しかなかった地域に輸送力の高い鉄道網、道路網を作ったことで、大量・高速にヒト・モノを行き来させることが可能になり、結果として経済が発展するわけです。つまり基盤を確立するとは、「将来の成果を実現するために前段階の基礎固めを行うこと」といえます。(つづく→)

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導入効果を的確に書くには-3

タイプ2「属人性の低減
属人性の低減とは「人に属する要素を減らすこと」、つまり、以前は特定の人だけできて、ほかの人にできなかったことが、ITツールの導入により誰でもできるようになった、ということです。
「効率化」も「属人性の低減」も、いずれも「IT導入以前でも一応何とかなっていた」というのが重要な前提です。効率が悪かっただけ、少数の人にしかできなかっただけで、別に不可能ではなかったのです。(つづく→)

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導入効果を的確に書くには-2

タイプ1「効率化・コスト削減」
効率化とは「一定の成果を上げるための資源投入量が減ること」と定義できます。簡単にいえば、「今までやっていたことが、より短時間、より少ない手間、より少ない人数でできるようになること」、さらにあっさりいえば「楽になる」ということです。
なお経営資源の中では「お金」が特に重視されているので、お金の効率化には「コスト削減」という特別な名前が付いています。つまり「今までやっていたことが、より少ないお金でできるようになる」、短くいえば「安くなる」ということです。
IT製品による効率化とは、「今までも一応できていたことが、IT製品の導入により今はもっと楽に、または安くできるようになった」と表現できます。(つづく→)

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導入効果を的確に書くには

IT製品の事例を書くとき、「導入効果を詳しく書くこと」が重要といわれています。しかし導入効果とひと口にいっても、製品ジャンルによって大きく変わります。「デスクトップ用簡易ツール」など小規模アプリケーションなのか、「仮想サーバ」などインフラなのか、「生産管理システム」や「ERP」など大規模システムなのかで、導入効果のあり方は大きく異なります。
ここでは、「IT製品の導入効果とは、つまり何なのか」を、製品の種別にとらわれず、普遍的に把握したいと思います。いったん根本原理を理解すれば製品が何であろうと導入効果を迷わず記述できるので便利です。またIT製品は無形商材の代表なので、その原理はコンサルティングなど他のソリューション商材の事例を作るときにも役立ちます。
筆者はこれまで何百本もIT事例を作ってきました。その経験に基づくと、IT製品の導入効果は次の3タイプに集約できます。

タイプ1.「効率化・コスト削減」
タイプ2.「属人性の低減」
タイプ3.「基盤の確立」

(つづく→)

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