「~なんです」という語尾が事例文において不適切である理由
(以下、文章ノウハウ兼 社内連絡)
***1:
事例制作者のみなさん。皆さんの中で、事例の会話文で、「~しちゃった」とか「~なっちゃった」とか書く人はさすがにいないようです。
だが、「~なんです」、「~したんです」、「~だったんです」と書く人は、実はけっこういる。これはよくない語法であると村中は考える。「~なのです」、「~したのです」、「~だったのです」が正しい。正しく書きましょう。
***2:
村中は、そもそも「~なのです」という語尾はよくないと考える。
村中はよほどの必然性がない限り、「~なのです」とは書かない。単に「~です」と書く。それで良いではないか。
なぜ「~なのです」と書くのか。その人の心理は、「ここで内容を強調したい」というもののようだ。
しかし読んでみると、たいていは、「わざわざ強調するほどのこともないこと」の後に、「~なのです」をつけている。
些末なことをいちいち強調する人は、読み手からは、「軽率な人」に見える。
つまり、あなたが「~なのです」を多用すると、取材先が、読者から、軽く見られる。これは、取材先に対し気遣いが足りない文であると、村中は考える。
あと「文章にメリハリをつけたい」という理由で、「~なのです」を使う人もいる。メリハリは、別のやり方で工夫しましょう。「~なのです」でメリハリでは安易すぎる。
そもそも「~なんです」とは、「強調するほどもないことをわざわざ強調して何となく人の関心を引く」というのが、世間一般の使い方である。
Googleで「なんです」で検索すれば分かる。
(検索結果。クリック)
事例は、会話文であっても、ジャンルとしては「まじめな文」に属する。したがって「なんです」は不適切である。
***3:
「わたし、猫が好きなんです」が書き出しの文章がここにあるとする。
これ、読みたいか。
村中は、あんまり読みたくない。なんかこの人が自分の気分とか感想とかまくしたてるんだろうな~と予感するから。
「なんです」を使うのは損である。
※ 「わたし、猫が好きなんです」という書き出しでも良い場合もあるにはある。アイドル歌手とかが書く文章の場合である。この場合は、読み手が、このアイドルの感想に興味津々なので、勝手に感想を書きまくるような内容でもかまわない。