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資産防衛の荒技、賃貸住宅、とにかく毎月、シン・ゴジラ

**** 資産防衛の荒技

しばらく前に、東京近郊で500年以上続くという歴史ある家に取材にいくことがありました。つまり江戸時代よりもっと古いわけです。住宅街を抜けた奥の山のそばに大きな屋根の立派な木造建築がありました。それだけ続く家なので周囲に土地も多く持っています。いわゆる土地持ち資産家の家です。とこう書くとうらやましいですが、資産家には資産家の悩みがあります。土地持ちのところには、いろいろな人が近寄ってくる。いろいろ関わるうちに気がついたら抜き差しならないことになっていたりします。村中に事例制作を依頼してきたクライアントは、そうして起きてしまった過去のあれこれを、整理して引っぺがすという荒技の使い手です。こういう業種の事例では、事の詳細は生々しすぎて書きませんが、それでもなお読み手に「この会社、荒事(あらごと)もできるんだな」とそれとなく感じさせるように書かなければいけません。微妙な単語の選び方、写真の撮り方が重要になります。

**** 賃貸住宅の事例

賃貸住宅は、事例としてはたいへん難しい題材です。なぜなら賃貸住宅の場合、顧客が選択する理由は、物件そのもの、家賃、立地であり、大家さんの対応がよかったとか、問い合わせの電話対応が良かったとか、その他サービス要因は二の次三の次だからです。このことは、もしみなさんが自分のすみかを探すとして「大家や不動産会社の対応は最悪で、だけど立地は最高、物件もキレイ、家賃も手頃」という物件と、「大家さんも業者もいい人、ホームページも分かりやすい。だけど物件今イチ、立地は遠い。家賃はやや高い」という物件とどちらを選ぶかを自らに問うてみれば分かると思います。そんな難しい賃貸物件の事例制作の依頼が、ある地方都市からありました。その会社は家賃やや高、立地は悪くはないが最高ではないといったあたりです。ただ付加価値の付け方がスゴイ。現在、その会社は満室&最高益です。

**** とにかく毎月

弊社クライアントで「とにかく毎月一本、事例を作る」ことをやっている中小企業があります。業種は「むかしからある地味な業種」「お客は『とにかく安いところを!』と求めるような業種」「お客から見て品質の良し悪しが分かりにくい業界」「だけど技術(腕前)のちがいはやっぱりある業界」です。そして1年が経ち、大きくは問い合わせ2倍増、売上げ1.5倍増という結果が出ています。

**** シン・ゴジラ

映画「シン・ゴジラ」があまりにおもしろくてびっくりしました。村中はフルCGの映画があんまり好きではありません。ハリウッドのフルCGアクション映画は、宇宙で宇宙船が飛びまくったり、町が空にめくれ上がったり、異世界の異性物がリアルに動いたり、さまざま趣向がこらされていますが、それを映画館の予告編で見るたび、いつも「むなしい」気持ちになります。なんだか「薄味」なのです。むかし黒澤明が七人の侍を作ったとき、「今までの日本映画はお茶漬けサラサラだった。自分は、ステーキのような映画を作りたい。ステーキの上に、うな重を載せて、さらにカレーをかけたような、お腹いっぱいの御馳走映画を作りたい」と言ったそうですが、村中はシン・ゴジラを見てその言葉を思い出しました。

3ヶ月ぶり更新

気がつけば3ヶ月ぶりの更新となってしまいました。この間、怠けていたわけでなく、実は隔週更新の日経BPの連載の方を書いていました。しかし、このままでは自社ブログの更新の方ができません。

しばらくは本格ノウハウは、日経の連載の方に書き、こちらブログはライトな近況報告の場として活用してみようかと思います。

それにしても更新というのは続ければそれが惰性で続くし、中断すればやなりそれが惰性で続きます。慣れというのはだいじだと改めて思いました。

顧客ニーズをあれこれ考えても意味はない ~もっと重要なことがある

日経BPのマーケティングサイトで、「事例こそ最強のBtoBマーケティングである」を連載中です。


最近の記事は次のとおり。

– 第2回 売れる事例かそうでないか、3秒で見分ける方法
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/111100134/022300003/


– 第3回 顧客ニーズをあれこれ考えても意味はない(前編)~それより先に知るべきことは?
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/111100134/030400004/

– 第4回 顧客ニーズをあれこれ考えても意味はない(後編)~もっと重要なことがある
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/111100134/030400005/

遠足文とIT事例(2) ~ プロクルステスの寝台

「プロクルステスの寝台」という逸話があります。

プロクルステスとはギリシア神話に出てくる盗賊の名で、メガラからアテネに向かう街道に潜み、旅人を捕らえ自分の寝台に寝かせて,その身長が短すぎると槌で叩いたり重しをつけたりして引き延ばし,長すぎるとはみ出た分を切り落として、無理やり寝台に合わせたといいます。

このことから、「プロクルステスの寝台(Procrustean bed)」という言葉は、現在でも「自説に無理矢理合わせる杓子定規」,「自説への容赦ない強制」という意味で、修辞として使われます。

村中は、IT導入事例でよく見られる「課題・効果・展望」などのテンプレートは、この「プロクルステスの寝台」だと思います。

多くの企業を取材すれば、内容はさまざまですが、どんなに個性的な取材内容であったとしても、それを「課題・効果・展望」という遠足文形式のテンプレートに無理矢理押し込むと、あまり面白くなくなりません。

「課題・効果・展望」のテンプレートで困るのは、「各章をバランス良く書くように」という規定も付随していることです。どこかが突出して長いと不格好なので、バランス良くまとめてください、というわけです。

しかし、現実の取材内容は、たいていバランスは良くありません。

たとえば「課題」の部分。法人が何かを導入するとき、商材によっては、その導入の理由が「業界内で他社がやらかしてくれたから、ウチも対応しないわけにはいかないし」とか、「社員がやらかした。取引先から強いクレームがあり対応が必要になった」というように、「不祥事」「やらかし」が導入前の「本当の課題」であることがあります。

もちろん、そんなことは書けないし、書きません。そもそも導入理由が不祥事である場合、そのことは事前にだいたい見当がつくので、取材ではそもそも質問さえしません。もし相手が「実はね…」と言ってきたとしても、やっぱり書いてはいけません。それが大人の配慮というものであって。

「効果」の部分も同様です。たとえばウイルス対策製品の導入効果ってどう書いたものでしょうか。「誤ってウイルスを取引先に送ってしまいました。でも今はそうした事故はゼロです」という話だったとしても、「ウイルス減少率はマイナス97.4%」など定量的な効果があったとしても、ま、書けませんわな。

「誤ってウイルスを取引先に送った」とか、たとえ過去の話だとしてもやっぱり人聞き悪いですし、減少率97.4%ということは、じゃあゼロじゃないわけ?となっちゃいますし。

こういう場合の事例制作は、課題や効果のところはサラっと流して、他の項目を文章の柱に据えたいところです。しかし、「課題・効果・展望の順にそれぞれバランス良く記述せよ」といったテンプレートのシバリがあると原稿制作はなかなかつらくなります。そんなとき、プロクルステスの寝台のたとえを思い出すわけです。

商品それぞれ、担当者それぞれ、企業の事情もそれぞれですから、だったら事例もそれぞれで良いわけであって、それを遠足文形式のテンプレートに強制変換する必要はないんじゃないかな、と一介の事例制作者としては、そのように感じております。

 

IT事例と「遠足文」(1)

「遠足文」というタイプの悪文があります(というか、私が名付けました)

遠足文とは「できごとを起きた順番に書く」という文章のタイプです。具体例としては、「今日、遠足にいったときのことを作文しなさい」というお題に対し、次のように書くことになります。

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今日は待ちに待った遠足の日です。

僕は昨日から楽しみで眠れませんでした。朝起きると、空は晴れていて、本当に良かったと思いました。学校につきました。○○くん、○○ちゃんもみんな嬉しそうな顔をしています。

(以下、その日の遠足の思い出、「みんなで遊んだこと」「お弁当がおいしかったこと」「途中雨が降ってきたこと」などが時系列で書かれる)

とても楽しい一日でした。僕は遠足に来て、本当に良かったと思いました(おわり)
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この「遠足文」が「読み手にとって価値の低い文章」であることは誰もが賛成すると思います。その日の思い出を順番に書かれたので、書いている本人は気楽かもしれませんが、読まされる方はたまったものではありません。

では、子どもはなぜこのような遠足文を書いてしまうのか、理由は次の3つです。

  1. 「子どもの作文は自分のことだけ考えており、読者サービスという概念がない」
  2. 「時系列に順番に書いておけば、一応、文章がまとまりをもって完成する(宿題が提出できる)」
  3. 「時系列なら書くのがラク、あれこれ考えず思い出した順にかけば良いから」

そう、「遠足文」というのは書く側にとっては、とっても楽で魅力的なスタイルなのです。

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IT業界の導入事例では、構成がテンプレート的に統一されたものをよく見かけます。章立ては「背景」、「課題」、「導入効果」、「今後の展開」というように常に同じです。テンプレート化している理由は、「形式を統一すれば読者は混乱せず読むことができ、作る側の業務も効率化される。見た目にもオーガナイズされており企業コンテンツとしてふさわしい」というもののようです。

私は、こうしたテンプレートは「遠足文」の一種ではないかと考えています

(次回につづく)

ドヤ顔にご用心 ~ 事例の人物写真の撮り方 ~

 事例の人物写真を撮影するときに最も重要なことは

「読者から見ていい人に見えること」

です。なぜなら人間、誰しもイヤなヤツの話は聞きたくないからです。事例の販促物としての出力形態は「読み物」ですから、読者(=見込み客)に嫌われて、読まれなくなったら、いくら良いことが描いてあっても無意味です。嫌われることのないよう、細心の注意が必要です。

取材先の担当者は、事例を作る企業にとって「大事なお客様」であり、事例制作会社の弊社にとっては「お客様のお客様」となります。しかし、ここで必ず気をつけるべきは、事例の読者、すなわち「企業の見込み客」にとっては、取材先とは、自分と同列の「単なる会社員」にすぎないということです。

加えて彼/彼女は「読者」です。、読者というのは「こっちは読者だ、おい、何か面白いこと言ってみな、面白くないんだったら読まないよ、オレ、忙しいし」というように王様/王女様体質であるのが普通です。

読者(見込み客)とは暴君と思って間違いありません。彼らに嫌われないためにも、取材先の写真はまずは「いい人」に見えなければいけません。間違ってもドヤ顔に写ってはいけません。

ドヤ顔とは「どうだオレ様はスゴイだろう」という心中が目つきや口元から何となく感じられる表情のことですが、これは「読者(=見込み客)にとってそこはかとなく不愉快」です。そういう観点でいえば、取材先に腕組みをさせて撮影するのは、まさにザ・ドヤ顔になるので避けた方がよいと考えます。

しかし、このように言うと、「経済雑誌で人物インタビューが載るときは、話し手が自信に満ちた余裕ある表情で腕組みしてこちらを見ている写真がよくある。堂々としていて良いと思う。それと同じ事を事例の取材先にさせてもよいではないか」と考える方もいるかもしれません。

なるほど、経済雑誌の財界人や有名コンサルタントのインタビューでは、腕組みのポーズはよく見られます。しかし、ここには前提があって、そうした有名経営者やコンサルタントは、読者から見てそうした有名雑誌でインタビューを受けるに値する人と認知されています。つまり「自分より格上の人」が「格調高い媒体」でインタビューを受けているわけですから、これは多少のドヤ顔になっていても、人の心理に不快感を生じさせません。一方、ユーザー事例とは「通常の会社員の話」が「企業のWebサイト」に載っているちおう形式ですから、ここで腕組みをして威張るのは「調子に乗りすぎ」となるのです。

別におどおど写る必要はありません(それはそれで見ていて不快)。「謙虚に見えて、しかし静かな自信が垣間みえる」。事例の人物写真はそれがベストだと思います。

 

 

 

「 BtoB商談で顧客が『実績』を求めてくる本当の理由とは」

日経BPのサイト IT Pro Marketingで、「事例こそ最強のBtoBマーケティングである」という連載を始めました。


第1回は「 BtoB商談で顧客が『実績』を求めてくる本当の理由とは」です。

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 「御社製品が素晴らしいのは分かりました。で、実績は?」

 こういう質問がないBtoB商談は、まずないと言い切ってよいでしょう。特に「ソリューション」「コンサルティング」「サービス」のような、目に見えず、表面スペックでよしあしが測りづらく、その割に値段が高い商品で出てくる質問です。

 この問いに口ごもるようなら、その商談はおしまいで、それまでの営業努力は全て水の泡と消えてしまいます。どんなに性能が優れていても実績が無いと導入してもらえないのが法人営業。「そんなこと言ったら最初の最初はどうするんだよ」という言葉が喉まで出かかりますが、それは売る側であるあなたの都合であり買う側のお客はそんなことは気にしません。

 実績のない製品はコワイ。危険は避けたい――。それが法人ユーザーの偽らざる本音です。実績を見せないことには話が始まりません。

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つづきはこちらをどうぞ。
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atclact/active/15/111100134/020900002/

「インパクト」は有害な単語で、この言葉を使っていると発想が出なくなる

「もっとインパクトのあるコンテンツを…」、「これじゃあインパクトないね」などなど、「インパクト」という言葉は販促制作の場で頻繁に使われます。

しかし村中は事例制作の構想をするときにインパクトという言葉はいっさい使いません。

理由は次の3点です。

*** 理由1:インパクトとは「評価」の言葉であって、「企画・制作」の言葉ではない。


「もっとインパクトのあるコンテンツを…」、「これじゃあインパクトないね」という言葉から分かるように、「インパクト」という言葉は「上から目線の評価」の場で使うのがしっくりきます。村中は事例制作者、「つくる方のひと」なので、このような評価用の語彙を使ってものを考えてもしょうがありません。

インパクトは審査員のための言葉です。あなたが審査する側ならこの言葉を使ってかまいません。しかし、あなたが審査される側、何かを作って提出する側なら、インパクトという言葉は百害あって一利なしです。

*** 理由2:インパクトという言葉は「ひびき」だけがあり、「実体」がない。

インパクトという言葉がこれだけもてはやされるのは、「ひびきの良さ」のおかげだと思います。インと来て、ぐっと詰まって、ンパッと爆発して、クトッとまた締まる。威勢がよくてしかも引き締まっている、いい響きですね。発音していると、なんだか立派なことを言っているような錯覚におちいります。

でもそもそも「インパクトがある」ってどういう状態なんでしょう。見た瞬間、「すっげー!」と思うようなものなんでしょうか。じゃあ、どんなのなら「すっげー」と思えるのでしょうか…、結局、答は出ません。

インパクト(衝撃的)というのは、「程度」のみを表しており「方向」は示していません。だからこの言葉を使っても自分の行くべき方向は見えないのです。

それはちょうど「なんかデッカいことしたいんだよぉ」と100回唱えても、では具体的に何を始めるのか方向は見えてこないことに似ています。


*** 理由3:「インパクト」という単語を使って良いのは比較のときだけ。

「これとこれ、どっちがインパクトあると思う?」というのはOKだと思います。「えーと、こっち。こっちの方が何かグッと来る」のように、具体的な進展があるからです。しかし何ら具体的手がかりがない状態で「インパクトを出すにはどうすれば?」と発想しても、ハマるばかりです。

インパクトという言葉は、その響きの良さとはうらはらに、行動や発想を阻害する有害な単語です。というわけで、村中はこの言葉は自分の思考から排除するようにしているのです。(これは「自分の発想の中では」…ということなので、商談やセミナーのときには便宜上、使うことはあります。とりあえず響きが良くて通りの良い言葉であることは事実ですから)

12月11日 「事例マーケター養成講座」を開催

来る12月11日に、日経BPの主宰で、

「社内で一目置かれる
事例マーケター養成講座」

を開催します。今回のセミナーは、非常に中身の濃いものになります。内容は次のとおりです。

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1.事例企画・作成でよくある間違い・勘違い
 
    ~本講座特製チェックシートを使って“残念な事例”から脱却

2.効果を出す事例作りの三大ノウハウ

    ~伝わるコピー、関心を引く写真、言葉を引き出すインタビューの勘所
3.事例の「設計力」を高める

    ~本講座特製の設計シートを使って効果を出すための要素を構築

4.顧客が事例出演OKを獲得する方法
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村中は事例設計の最も重要なフェーズは「事前の設計」の部分だと考えています(インタビュー、撮影、キャッチコピーは設計ではなく「実装」の技術)

今回のセミナー企画をもちかけられるにあたり、日経BPの担当者に「ふだんのセミナーでは地味すぎて語れない『設計』の話をしっかりやりたいのですが、よいですか?」と持ちかけたところ、OKをもらいました。

よって今回は『設計』の基礎ノウハウをきっちり伝授いたします。
(もりろんインタビュー、撮影、キャッチなど実装技術の話もします)


受講対象者は、日経BPの企画ということで基本的には「IT企業の営業・マーケティング部の人」となりますが、話す内容は普遍的なものなので、それ以外の業界の皆様にとっても役立つ内容になるでしょう( 「IT業界の話ではあるが、自分の業界に置き換えるとつまりこういうことなんだな!」と置き換えながら聞いてください)

設計のほかに、これまた地味で普段のセミナーでは語れない「趣旨説明」の技術についてもじっくり説明します。


村中の事例インタビューの最強ノウハウは「趣旨説明」です。インタビューが円滑に進むか進まないかは「趣旨説明」にかかっているといって過言ではありません(これはIT業界に限らず、これは全業界、全商材で共通して使えるノウハウです)。

ふだんの無料セミナーとは違い、村中が渾身を傾ける、中身の濃いセミナーとなります。

良い事例を自分で作りたい人、外部業者に依頼して作りたい人、どちらにも役立つ内容です。事例制作に関心のある方はふるってご参加ください。

受講料は38800円。11月26日までの早期申し込み割引は34800円。

詳細、お申し込みは以下URLから。
http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/itpro-s/seminar/itpa/151211/

事例質問術 ~ アイスブレークより趣旨説明

初対面のときに緊張感を解きたいならば、いきなり本題に入らず、最初はちょっとした冗談、雑談を交わすという「アイスブレーク」を行えばよいと良くいわれます。

 しかし村中は自分の事例インタビューの標準プロセスには、アイスブレークを組み込んでいません。正直、アイスブレークとか、やらないことの方が多いです。

その理由は、事例インタビューの切り出しには、アイスブレークより「趣旨説明」の方が有効だと考えているからです。以下、その理由を述べます。

理由1.【アイスブレークはごまかし、趣旨説明は明確な回答】

取材先、つまり事例インタビューを受ける側は、取材を受けるにあたり不安を感じています。

その不安とは、大きくは

  • 「いったい何を作るつもりなのか?(この人ら何しにきたのか?)」
  • 「どこにどう掲載されるのか?(ヘンなとこに載りたくないんですけど)」
  • 「掲載前に原稿チェックはできるのか(いきなり掲載されたらイヤなんですけど)」

などです。

こうした不安を解消するには、雰囲気を和らげるだけのアイスブレークよりも、疑問に明確に答えることができる趣旨説明の方が有効です。

 

理由2.【アイスブレークは当たり外れがある、趣旨説明は手堅く成功する】

事例取材では、経営者から主婦まで毎回ちがう人が出てきます。しかし村中は社交性が高くないので、そうした様々な相手にツボにはまった雑談をする自信はありません。
たとえばインタビュー相手が経営者であるときに、村中が冗談を言ってアイスブレークするのはそもそも不謹慎であるように思いますし、また若い女性にインタビューするとき、村中がオサン的なアイスブレークをしても上手くいくとは思えません。

しかし趣旨説明をして相手の疑問(不安)を解消する回答をすることは、相手が経営者であれ若い女性であれ、等しく歓迎されます。アイスブレークよりも趣旨説明の方が、少なくとも村中にとっては成功率が高いです。

理由3.【趣旨説明なら適切な緊張感が作れる】

前回のエントリでも書きましたが、事例インタビューの場では取材先をリラックスさせるだけでは不十分で、有効な情報を引き出すには場に適度な緊張感が必要になります。取材の冒頭で、趣旨説明という「やや改まった話」をすれば「今からやることは雑談ではなく商談でもなく、壇三者(読者)のための取材ですよ」という雰囲気を醸成ができます。

 理由4.【アイスブレークはアドリブ、趣旨説明はワンパターン】

これまで何百回と事例インタビューを重ねる中で、村中は「趣旨説明のトークスクリプト」を完成させました。今は相手が経営者でも主婦でも、趣旨説明は、毎回同じことをテープレコーダー的に喋っています。この汎用性の高さゆえに、趣旨説明はまさに「ノウハウ」といえます。

 今日の結論、「アイスブレークより趣旨説明。冗談よりも説明を」